神に、いつ降り立つのか聞け
伊坂幸太郎のような雰囲気です。殺し屋たちが繰り広げる殺し合いですが、登場人物たちのキャラクタもあって、暗くならずに楽しめます。勢いがあってテンポよく読めました。
【作者】
栗栖冬月
【あらすじ・概要】
ダービー当日の東京競馬場が舞台。殺し屋を雇い、馬主である兄を殺そうとした男が、兄と間違われて殺されるところから物語は始まる。
競馬新聞の女性記者は「馬の言葉が分かる」という不思議な少女とであう。少女は馬主の娘だった。
馬主の兄弟とその娘、騎手とその妻、殺し屋とブローカー、女性記者たちが入り乱れ、静かに盛大な殺し合いを繰り広げていく。
【感想・考察】
登場人物が多く頻繁に視点が変わるので、最初はストーリーを把握するに苦労するが、後半になってテンポよく読めるようになってくる。登場人物を減らし、話の重なりもシンプルであれば、もっと楽しかっただろうとは思う。
「殺し屋」というリアリティーのない設定だが「それぞれ違う軸をもって生きる人たちがぶつかり合う」様子をデフォルメして描かれるのが面白い。グロい場面も多々あるがさっぱりと読める。
【オススメ度】
★☆☆☆☆