毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

夏のストロボあるいは魔法

 孤島で行われる大学のミステリ研究会合宿、そこで起こる密室殺人事件。というかなりベタなミステリの舞台設定ですが、最期は全くベタではない余韻を残した終わり方でした。

 

 

【作者】

 赤井五郎

 

【あらすじ・概要】

 大学のミステリ研究会に所属する中原一彰たちは、孤島に建つ大学の施設で合宿をする。いないはずの場所から出てくる先輩や、時間差で音を立てる空缶など、不思議な事態や、最後には密室での殺人事件が起こる。一彰は「探偵役」の自分に仕掛けられたトリックだと考え、謎を解き明かしていく。

 

【感想・考察】

 30年ほど前の設定だろうか。現代とは少しずれた雰囲気が漂う。ミステリとしてきっちり伏線は貼られている。密室も含め最終的にはミステリ的な解決ではなくても、理詰めで考えていく楽しさは味わえる。

 この作者の作品ではラストに会社の余地を残すパターンが多く、この作品でも最後は緊迫感を持ったまま幕を閉じる。映画インセプションのラストでコマの回転が見切れていたように、全て説明しきらないところが美しいと思う。

 

【オススメ度】

 ★★★★☆

 

当ブログは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムであ「Amazonアソシエイト・プログラム」に参加しています。