昭和世代のブラックショートショート 壱
ちゃんとオチのついた「ショートショート」らしい話です。若干ブラックで定型的なのが昭和風なのでしょうか。
【作者】
浦田かず
【あらすじ・概要】
7篇のショートショート。
・殺し方指南
パソコン教室から「相談員」に転業した男が、相談者から「夫の浮気相手を殺す方法」について相談される。
・予知能力
少年は先生の顔に一瞬父親の顔を見た。以前にそのようなことがあった時は、毎回浮かんだ顔の主に不幸が起こったため、先生に訴えるが本気にされない。
・僕は浮気をしていない
以上に嫉妬深い同棲相手に気を使い注意していた男だが、ある日満員電車の中で女性に口紅をつけられてしまう。
・悪趣味
男は蛇を飼うことを趣味としていた。妻は蛇に興味がなく、蛇の種類を変えても気がつくことはなかったが、巨大なニシキヘビを買ってきた時にはさすがに気付き怒り出した。
・脳クローン
優秀な人間の脳の記憶領域をコピーするサービスが受験生相手に盛況となっている。
・〈笑顔〉
就職活動がうまくいかない学生は、明るい笑顔を作れないことが原因だと考えていた。
・トランスフォーメーション
仕事で苦労している男は働かずに餌をもらえる亀を羨む。
【感想・考察】
あまりこなれた感じではないが、それぞれの話でいかにもショートショートっぽく、オチをつけていて、安心して楽しめる。想定読了時間24分とある通り、あっという間に読めます。
【オススメ度】
★★☆☆☆