毎日一冊! Kennie の読書日記

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世界史とつなげて学べ 超日本史 日本人を覚醒させる教科書が教えない歴史

 周辺国との関係から日本の歴史を語った本です。日本の教育では「日本史」と「世界史」が分断されていて、一貫した視点が持てないことに著者は懸念しているようです。

 

【作者】

 茂木誠

 

【あらすじ・概要】

 縄文・弥生時代から江戸時代くらいまでを対象とし、外国との関係から日本の歴史を見ようとしている。

 

  女系のミトコンドリア解析から、「日本人は東南アジア系の縄文人に、大陸から来た弥生人が混血したものだ」と結論付ける。また男系のY染色体解析から、侵略的に混血し特定のY染色体の占有率が高い状況ではないため「平和的な混血だった」とみている。記紀の神話でも、外来系の天津神が権力を握っても土着系の国津神をきちんと祀っているのはその傍証だという。

 

 大和時代の聖徳太子、蘇我馬子らのグローバリストが大陸との交流の端緒を開く。その後も平清盛や足利義満など貿易の実利を重視する勢力が、国内をベースとする勢力とパワーゲームを繰り返していく。大陸の文化を吸収しつつ大陸が衰退した時期には国風文化を育ててもいる。

 

 16世紀の大航海時代以降は、ポルトガル・スペインが宣教師によるキリスト教布教を先鞭とし、アメリカ大陸や東南アジアを侵攻していったとする。

 その時期の日本では応仁の乱以降戦乱が続き武器の需要が極端に高かったことから、鉄砲の伝来以降数年で実用化・実戦配備をした。そのためアメリカ大陸やフィリピンには武力で進行したポルトガル・スペインも日本への侵攻はリスクが高いと判断し、欧州側の状況変化もあって日本は独立を保つことができたとみている。

 実利を見た信長がキリスト教の布教を許可するが、リスクを感じた秀吉がこれを制限する。徳川時代の初期には余剰戦闘員である浪人を海外に傭兵として送ったが、彼らが海外勢力と結びつき攻めてくることを恐れたのが、「鎖国」といわれる管理貿易体制を敷いた一因だと分析している。鎖国が実現できたのは日本の地理的な条件だけでなく、諸外国が日本の武力を警戒していたからだという見方もしている。

 

【感想・考察】

 海外でのできことと並行して日本の歴史を見て、その因果関係を考える視点は面白い。現存している史料から推測することしかできず真実は分からないが 、多様な視点を持つこと自体にも意味があるのだろう。

 

【オススメ度】

  ★☆☆☆☆

 

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