毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

本来無一物: 恵能宗入門書

 著者が中国赴任時代に禅宗に触れ、六祖恵能の教えを研究していった流れが掛かれています。禅宗の教義について語るというよりも、著者自身の備忘録という感じでした。

 

【作者】Aは

 若島宏造

 

【あらすじ・概要】

 中国禅宗の6代目の祖である恵能禅師の教えを紐解くうちに、「六祖壇経」を読み、そこに流れる「空の思想」を理解するため「般若心経」について学んだ著者自身の軌跡を残した本。

 恵能が六代目の祖となった経緯として、もう一人の後継者候補であった神秀は、肉体や心の「実在」から離れることができず、恵能は「金剛経」を聞いた瞬間に理解したというエピソードを紹介している。

 恵能は人間の心は本来仏性を持っており、善悪や良否に囚われない心で、全ては空であることを掴めば、自ら帰依し仏性を得ることができるという。仏は外部でなく内側にあり、誰の中にもあるとする。

 著者はこの方法を「頭の知識に捉われず、心の智恵に従う」と解している。棒高跳びのため棒は必要で「文書化された教え」などは助けになるが、飛び立つ瞬間は棒から手を放し、飛ぶことに集中しなければいけないと例えている。

 恵能の教えは頓教で、細かい戒律に縛られなくても、理解すれば即悟ることができるとしており、中国人の現実主義的な気風にあったのだろうと著者は分析している。

 

【感想・考察】

 著者自身の中国広州赴任経験など自伝的内容が結構多く、寄り道が多すぎると感じるかもしれない。1980年代の中国の様子など、それ自体は面白い話なのだが。

 「空」の考え方は論理ではつかみ切れず、苦戦している。色々な人の書いた本を読み重ねていくうちに理解できるのだろうか。やはり頭でっかちはダメなのだろうか。

 

【オススメ度】

 ★☆☆☆☆

 

当ブログは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムであ「Amazonアソシエイト・プログラム」に参加しています。