Kennie の読書録

毎日1冊本を読み、記録を残したいと思います。

なんでお店が儲からないのかを僕が解決する

【作者】

  堀江貴文

 

【あらすじ・概要】

 堀江氏による飲食業界への提言と、自ら立ち上げた「TERIYAKI」というグルメキュレーションサイトの紹介。後半の三分の一くらいは堀江氏お勧めの店リストになっている。

 

 Q&A等で印象に残った部分は以下のあたり。

 

・人件費や材料費を削るだけではうまくいかない。

・コストで勝負するなら、仕組みでの効率化を。ただ大企業が有利になる。

・コスト以外で勝負なら、高い価格を払ってもらえるような感動を提供。

・ドタキャン防止のため、客のレーティングを。

・クレジットカードが使えないとかありえない。

・「美味しんぼ」の呪縛から離れ、ウンチクよりも自分の感性で評価しよう。

 

 

【感想・考察】

 以前、堀江氏が「十数年に及ぶ寿司の修業は全くの無駄」という発言をして炎上していた。寿司の握り方を学ぶだけであれば、長年の酒豪が甚だ非効率であるのは間違いないだろう。

 できるだけ早く技術を身に着け、実経験を積みながら改善しオリジナリティーを出していく方が効率的で、より多くの価値を世の中に提供できるのだと思う。

 

 それでも違和感を覚えるのは、堀江氏が「人格の修養」を重視せず「人が人を導くことができる」ことを全く信頼していない点だ。堀江氏の教育に関する書籍にもあったが、「教育は教える人やその背景にある組織などに都合がよいように個人を型にはめていく」ことだと捉え強い反発を示している。

 寿司職人の件では、長い修業期間に「自分の言うことを聞く低コストの労働力」を使いたい経営側の本音もあると思う。ただ、人との接し方や立ち振る舞いなど、時間をかけて「量稽古」をしなければ習得できないものもあり、そういう「日常の積み重ね」から人格が作られる面もある。時間をかけても学ぶ価値のあるものも間違いなくある。

 

 堀江氏の論理の明晰さや行動力、理解力は素晴らしいと思うし、世の中を動かすために使える資源を何でも使っていく姿勢とバイタリティーは尊敬に値する。それでも話を聞いていてどこか「軽く」感じてしまうのは、「人格的な重み」をあえて否定しているからなのだろう。