桜七(サクラナナ)
【作者】
小野寺秀樹
【感想・考察】
通信関係の企業に勤務している「鮫島」は、その会社に勤務する以前の記憶が失われ同じ会社に入った「坪井奈菜」に記憶の引っ掛かりを覚える。
2018年7月20日9時48分、関東に強大な地震が発生。機能麻痺した東京で避難所に残る人、外部へ脱出する人に富士山の噴火による火山灰が追い打ちをかける。地震の直前に自分に与えられた使命が「坪井奈菜を守ること」だと思い出した鮫島は、奈菜と何人かの同僚とともに壊滅した東京を後にする。
理性を失った同僚や、コントロールを失った暴徒に襲われ、途中で食料も尽きかけるが「休憩など死んでからいくらでもできる!心臓が動いているうちは死ぬ気で前進しろ!」と仲間と自分に発破をかけ進む。
長野の実家に避難していた上司のもとに奈菜を送り届け、鮫島は奈菜から離れ元の場所に戻ることとなる。
【あらすじ・概要】
大災害の描写から、鮫島の格闘シーンまでとにかく勢いがある。タイムパラドックスの話など説明が足りず理解できない部分が多い。また回収されない伏線も多々あり、じっくり考えようとすると消化不良を起こす。それでも文章の勢いで最後まで引っ張り、鮫島と寝てばかりいる奈菜の関係に心動かされた。
未回収の伏線は、続編で回収されるのだろうか。。