君にはもうそんなことをしている時間は残されていない
【作者】
千田琢哉
【あらすじ・概要】
「Time is Life. と気づくことが、幸せな人生のスタートだ」として、一秒たりとも時間を無駄にしない生き方を提唱する。全部で70項目を挙げているが、中で印象的なものをピックアップする。
・一分の遅れは相手の時間を軽く見ている
一時間の遅れなら何か事情があるのかもしれないが、一分の遅れを悪びれずする人は相手の時間を軽く見ているので付き合うべきではない。
・挨拶をするかどうか迷わない
相手が誰でも相手が返事をしようとしまいと気にしない。
・指示された雑用の理由をいちいち聞かない
立場上受ける必要がある雑用なら理由を聞いても悪い印象を残すだけ。黙ってさっさとやる方が時間がかからない。
・お礼の年賀状を出さない
先に出さなかった時点で、出す必要はないと判断している。形式的な付き合いだけであればお互いの時間を無駄にする。
・一瞬でも迷ったらパーティーは欠席
義理で参加するパーティーは得るものが少ない。即不参加の返事をする方が相手のためにもなる。
・1分以上不貞腐れない
不貞腐れている時間は全くの無駄。感情を抑えることはできないが、1分以内に気分を変える。
・つまらない研修や研修は途中で抜ける
「お金を払ったからもったいない」よりも時間がもったいない。講師はつかみに最高のネタを持ってくるので、最初がつまらなければ後から面白くなることはまれ。
・買った本を全部読まない
あらかじめその本を読む時間を決めてしまう。例えば30分と決めてその時間で興味ある部分を拾い読みする。一年後に残っているメッセージが一つでもあれば役に立ったといえる。
・お礼状は当日書いて即投函
即座にもらうと印象に残る。出し忘れも防げる。
・「キリのいい来月から」と考えると大成できない
「今から」できることをやる。
・入社1か月で辞めた新人が別の場所で活躍するケースは多い
ちょっとした我慢ができない人はダメ人間、という風潮があるが、軌道修正するなら早く決断できる人の方が成功する。
・うすうす無駄な努力と感じていることはやめる
直観は正しい。「頑張っているが報われないだろうな」と自分が感じていることはやめる。
【感想・考察】
年を経るにつれ時間の大切さを痛感する。自分として生きるためには時間を奪う人から身を守る必要があるのは間違いないだろう。
またレスポンスをよくすることは、自分の時間も相手の時間も大切にすることにつながる。迷うよりは先に進むべきだとおもう。
一方で自分の時間にこだわりすぎ「1分遅れた相手とは二度と会わない」、「興味ない飲み会はすべて断る」、「電話は1分以内」など 「やり方」の部分だけに意識が集中してしまうとバランスの悪い人間になってしまう懸念もある。時間は命と等しいものだから、相手に時間を与えることは命を共有することだし、相手が時間を割いてくれることに深く感謝できる。ときには「効率」を考えない時間の使い方が人間関係を豊かにすることもあるのだと思う。