バビロン1 ―女―
【作者】
野崎まど
【あらすじ・概要】
東京地検特捜部の正崎は、薬品の試験に不正があったという薬事法違反の捜査を進めていたが、操作の中で浮かび上がった医師が不可解な「自殺」をする。事件を追ううちに政治家秘書が関与していることが発覚する。
この時期、都市機能の分散のため 町田・相模原・多摩、八王子を併せ「新域」とする構想が進められ、初代新域域長の選挙が行われていた。事件に関わっていたのは、この選挙の候補者の私設秘書であり、地検特捜部を挙げた大きな事件となっていく。
正崎は「新域」構想の真意を知り、その背後に動く「女」と対峙していく。
【感想・考察】
シリーズの第1作でこの作品だけでは完結しない。検察官である正崎と事務官、記者、刑事 たちとのやり取りがコミカルに描かれ、明るい雰囲気で始まるが徐々に重たい闇が見えてくる。野崎氏の作品らしく緻密に描写される世界背景と、超常的な能力を持った者の振る舞いが、臨場感を持って語られている。
引き込まれて一気に読み終わった。