旅屋おかえり
【作者】
原田マハ
【あらすじ・概要】
“おかえり” の愛称で呼ばれるアラサー崖っぷちアイドル 丘エリカが主人公。
自身の失言で最後に残った仕事である旅リポート番組も打ち切られ、おかえり自身も所属する弱小プロダクションも窮地に立たされる。そんな折、「病気で自分は動けないが、おかえりに代わりに旅に行って願いをかなえて欲しい」という依頼が舞い込む。手配を代行する旅行代理店ではなく、旅行自体を代行する「旅屋」としての活動を始める。旅屋としての仕事は徐々に軌道に乗り始め、自分は旅が好きだということを再確認しながら充実した日を送るが、自分は「負けて逃げてきた」とも感じ、くすぶっている部分もあった。
そんなある日、旅番組を打ち切ったスポンサーの会長から、番組再開の条件として「旅屋」としての仕事の依頼を受ける。勇んで受けたおかえりだが、その依頼は、彼女を支えてきたプロダクション社長の傷をえぐるような内容だった。おかえりは依頼元である会長の真剣な思いを感じ、仲間を失いながらも「旅屋」としての仕事に臨む。
旅先で出会う人々、自分を待って「おかえり」と言ってくれる人々の暖かさに触れ、「旅屋」の仕事に誇りを持ち、続けていく決意をする。
【感想・考察】
原田マハの作品は登場人物のすべてが優しい。素直な気持ちで読めるので「ここで感動させてやろう、泣かせてやろう」というポイント作りが明確でも、まんまとはまって感動し泣いてしまう。。
私自身も旅をすることが好きだ。知らない場所に行って新しい経験をすることが楽しいが、やはり「おかえり」と言ってくれる人がいることで、心から楽しむことができるのだろう。