老人と海
【作者】
アーネスト・ヘミングウェイ
【あらすじ・概要】
老年の漁師サンチャゴは頼る人もいない境遇だったが、彼を慕う少年に助けられながら、慎ましい生活を送っていた。
84日の不漁の後、沖合まで一人船に乗り込み漁に出かける。ついに「信じられないほど巨大な魚」が針にかかるが、あまりに巨大で力強くロープを無理に引くと切れてしまう。サンチャゴは長期戦を決意し、数日に渡り巨大魚に船を牽かせ魚を疲れさせながら徐々にロープを引き船の近くに手繰り寄せる。数日間に渡る戦いの中で魚に敬意を抱き友情のようなものも感じながら、最後は銛で心臓を刺し殺す。
あまりにも巨大で船に載せることはできずロープに繋いで運ぼうとするが、血の匂いに鮫が引き寄せられる。サンチャゴは銛やナイフで鮫を何匹も撃退するが、最後には武器もなくなり、陸地に帰るまでに巨大魚の骨を残してほとんどが食べられてしまう。
【感想・考察】
誰も頼ることのできない沖合の船の上、素朴な装備で巨大魚と戦う老人。過酷な状況にも心折れることなく戦い続け勝利を収めるが、結局最後には何も残せない。
自分を信じ続けるサンチャゴの精神の強さと、その恵まれない境遇の対比に、美しさと虚しさを感じる。