甦る殺人者 ー天久鷹央の事件カルテー
【作者】
知念 実希人
【あらすじ・概要】
連続殺人犯が現場に残したDNAを調べると、ある男性と兄弟の関係にある人物だと判定された。しかしながら、その男性の唯一の兄弟は4年前にすでに死亡していた。その死亡確認を行った鷹央に警察の確認が来たことで事件に関わっていく。
亡くなった兄の遺体は、母親が当時入信していた「死者をも蘇らせる」という宗教団体に引き取られたことが判明する。鷹央は、死亡診断のミス、患者のすり替えなど、あらゆる可能性を考えるが、犯人に至ることができない。
快楽殺人者である犯人による「次の犯行」がいつ行われるか分からず、死亡判定のミスの可能性も考える鷹央は、強い責任を感じ憔悴していく。
【感想・考察】
知念氏の作品にはいくつかのラインがあるが、この天久鷹央シリーズが最もラノベよりだろう。キャラクタ同士の掛け合いなど軽い要素も多く、気軽に読める。それでも初期作品と比べると「犯人が犯行に至った過程」や「鷹央自身が抱く自分の能力への不安」など、内容が重めになっている気はする。非常に完成度が高い作品だと感じた。