毎日一冊! Kennie の読書日記

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運動指導者が断言! ダイエットは運動1割、食事9割

【作者】

 森 拓郎

 

【あらすじ・概要】

 運動するだけで痩せることは難しく、食事に気をつけることがダイエットにも健康維持にも不可欠だという趣旨。

 運動だけでカロリーを消費し、体脂肪を燃焼させるには相当の運動量が必要。筋肉を増やすことで基礎代謝を増やすというのも効果は限定的。運動による食欲増進効果もあるし、イヤイヤ行う運動はストレスにもなる。ある程度体を動かすこと自体が健康に良いのは間違いないが、自分に合っていて楽しいと思える運動を、最大でも週2日行う程度にすることを推奨している。

 一方食事では、過剰に摂取されがちで血糖値を上げる原因となる精製度の高い炭水化物や、内臓の機能を低下させるトランス脂肪酸など、避けるべき食品が多い。また、とにかく食を減らすというのも、ストレスになり長期間続けることはできない。

 作者が推奨するのは「N/Cレート」が高い食品を取るということ。N/C とは Nutrient Value / Calorie で、カロリーに対してどれだけ栄養が含まれているかという基準。マゴワヤサシイ(まめ、ごま、わかめ、さかな、しいたけ、いも)を中心とした和食を特に推奨している。また脂肪分も健康維持とダイエットのためには必要不可欠だと強調するが、脂肪の種類に気を配るべきとする。トランス脂肪酸は明確に避ける。常温で個体である飽和脂肪酸は適量に抑える、不飽和脂肪酸でも、普通の食生活で過剰摂取となりやすいオメガ6系の油(通常の植物油など)は極力控え、オメガ3系の油(青魚やクルミなど)を積極的に取るべきとする。ジャンクフードはN/Cが低く、害が大きい。3倍の価格のものを少量食べる方が満足感も健康面でも望ましいとする。

 運動は無理に行うくらいなら止めることを推奨している。作者の経験の範囲では運動を止めることで痩せる人も多かったとのこと。推奨する運動はウォーキングと逆立ち。

 

【感想・考察】

 ダイエットの理論として新しいものはないが、「ストレスになるなら運動はやめた方がいい」と明言するのは初めて。また食事を非常に大切なものとして捉えている。

 自分の体の声を聞き、人間の数十万年の歴史で育まれた食生を維持できればいいのだろうが、食べ物にも市場経済の力が働き、低コストのものほど入手しやすくバランスが崩れている。生の果物を絞ったジュースより加工した果糖を加えた方が低コストだが、血糖値への影響などを考えると取りすぎた時に害が大きい。油についてもコストの安いトランス脂肪酸やオメガ6系の油は特に低コストの食品で過剰となりやすい。価格には原材料費以外にも、人件費やブランド価値など多くの構成要素があるので単純に高いものなら高品質とは言えないが、少なくとも安い食品には安くするための「経済的工夫」がされている分、過剰な摂取には気をつけるべきだろう。

もちろん飢餓からの解放のため最優先がカロリーであったという歴史的背景があり、そのけっかカロリーが安価になったことは評価されるべきだが、バランスの歪みを認識して自分の体を守ることは必要だろう。

 

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