私の家では何も起こらない
【作者】
恩田 陸
【あらすじ・概要】
丘の上の家に集う幽霊たちの話。アップルパイを焼きながら殺しあった双子の女性や、瓶に詰められた子供たち、「幽霊よりは生きている人間が怖い」と言う大工など、幽霊屋敷で起こる怪奇現象や、恐怖譚の短編連作となっている。
【感想・考察】
この作者の作品は初めて読むが、不思議な雰囲気がある。抑えた語り口から徐々に狂気を孕んでくる不気味さと、不思議な暖かさが共存している。死者の思いが残るものならば、世界は全てが「幽霊屋敷」だろうという感性は面白い。この作者の他の作品を読んでみようと思った。