仮面病棟
【作者】
知念 実希人
【あらすじ・概要】
身元不明の患者を受け入れる病院に、先輩医師の代理で当直に入った主人公の医師、秀悟。ピエロの仮面を被ったコンビニ強盗が、彼が拳銃で撃ってしまった女性、愛美を死なせないよう治療を求めてその病院に押し込んできた。ピエロは病院スタッフと患者を人質に病院に籠城した。
翌朝まで匿えば全員傷つけずに立ち去るというピエロだが、強盗が逃げ込んできただけとは思えない振る舞いをする。また、病院の院長も警察への通報を異常に恐れるなど不自然な行動をとる。秀悟と愛美は院内を探りながら、その病院で行われていたある出来事を発見してしまう。
翌朝、警官突入後に秀悟は意識を失った状態で保護されたが、秀悟の記憶と病院に残された状況に食い違いが起こる。秀悟の見たものは幻だったのか。
【感想・考察】
天久鷹央シリーズや死神シリーズなどとは作風が大きく異なっている。医療をキーとした部分は変わらないが、キャラクタ中心のラノベ感は全くなく、正統的なミステリ作品に仕上がっている。Who done it. How done it の謎が本格的で伏線の散りばめ方や、回収の仕方が美しい。
初めて読んだ時と比べ、この作者に対する印象が全く変わった。