佐藤可士和のクリエイティブ シンキング
【作者】
佐藤 可士和
【あらすじ・概要】
アートディレクターである佐藤可士和氏による、クリエイティビティについての本。アートの世界だけではなく、あらゆる分野でクリエイティビテイーが重要だという観点から提案する。記憶に残ったのは以下のポイント。
・多面的な見方をする。違う角度から見ると違う形をしているかもしれない。常識に とらわれていないかニュートラルな見方をしてみる。
・コミュニケーションの大切さ、難しさ。人を理解することは難しい。どんな人にも多面的な ところがあり、ステレオタイプの判断では全体像を見いだせない。深くコミュニケー ションをとり相手を理解すること。
・考えがまとまらないときは、書き出してみるのがいい。自分の苦手なことでも分解 すると何が苦手なのか、取り掛かれるポイントはないか見えてくる。
・比喩などイメージの力は絶大。言葉で伝えるのが難しことでもたとえを使うと一気 に理解しやすくなる。相手の話を自分なりにまとめ違う表現に直してみるなど、練習で向上する。ビジュアルにも大きな力がある。
・どのような分野であっても、そこで突き抜けると本質が見える。本質にたどり着く ためには何かの分野で突き抜けるまで徹底的にやりきることが必要。
・リアルな感覚を大事にするべき。デジタルな経験が増えている中アナログな実体験 には大きな価値がある。
後半は作者が取り組んだ事例紹介。 化粧品、ユニクロ、東京都交響楽団、ふじようちえん、楽天タワー、キッズ携帯やスポーツ携帯など。
【感想・考察】
クリエイティブであることの価値はより高まっている。人に伝えることを仕事としてるアートディレクター・コンセプトディレクターなので本の構成自体も程よくまとまっており理解しやすい。それぞれの項目についての記述はあっさりしているが、よく読み込むと深いことを言っている。UNIQLOロゴなど佐藤可士和氏のデザインはあまり好きではなかったが、この人が持っている哲学からは学ぶべき点があると感じた。