やつがしら
【作者】
円城 塔
【あらすじ・概要】
お金を払えば、頭脳に様々なサービスをインストールできる未来の話。翻訳サービスを使えば外国語へのアクセスができるし、優秀な自己診断サービスを使えば健康を維持し長生きができる。お金を積んで優秀なサービスを集めれば創造的な活動もできるが、安価なサービスは質もそれなりという現代社会のネットワーク上のサービスと変わらない世界を描く。
【感想・考察】
AIとの競争か、共存かという視点ではなく、「脳の機能を拡張する」というのは意外と実現性の高い未来の姿かもしれない。人の思考や知能を拡大支援する形で技術が活用されるのが一つの理想形なのだとも思える。
拡張サービスの必要性を理解しない古い世代の人間として描かれる「両親」の数少ないセリフに人間味を感じる。この作者の作品は、ものすごくアナログな視点で、マトリックスのような近未来世界を描写する独特の違和感が面白い。
ちなみにやつがしらはこういう野菜らしい。頭がくっついているようにも見える。。