Kennie の読書録

毎日1冊本を読み、記録を残したいと思います。

若きウェルテルの悩み

【作者】

 ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

 

【あらすじ・概要】

 前半は青年ウェルテルが友人ヴィルヘルムに送った手紙から構成される。感受性豊かなウェルテルが豊かな感性を持つ美しい女性シャルロッテ(ロッテ)に恋に落ちる。ウェルテルは束の間の幸せな時を味わうが、ロッテの婚約者であるアルベルトが到着してから、ロッテとの関係に苦悩し、一度はロッテの元を去る。

 ウェルテルは別の土地で職に就くが、その地での自分の扱われ方に納得がいかず退職し、やがてロッテの住む地へ戻るが、ロッテはすでにアルベルトと結婚していた。

 後半では「編集者」による解説とウェルテルの残した文書が混在して進展する。ロッテにもウェルテルを必要とする思いはあったが、夫に対しても誰に対しても完全に誠実であろうとする精神から、ウェルテルを遠ざける。ウェルテルは苦悩の中で自ら命を立つことを選ぶ。ウェルテルはロッテの夫であるアルベルトからピストルを借りようとする。ロッテはウェルテルの自殺への決意を悟り動揺するが、間接的ではあるが銃を手渡してしまう。ウェルテルはロッテの手を経て渡されたピストルであることに歓喜し、ロッテへの思いに埋もれ頭を撃ち抜く。

 

【感想・考察】

 ウェルテルは感受性がきわめて強く、ロッテと出会う前からも様々なことに思い悩んでいる。「不機嫌は大きな罪」という程、周囲の雰囲気に影響されてしまう繊細さを持っていたということだろう。子供を愛し、美しい自然を愛し、古代の詩を好む優しく脆い青年だった。一方ロッテは母を亡した子供たちの母親がわりであろうと献身的に生き、ウェルテルに対しても常に深い慈しみを示す、天使のような女性として描かれる。

 ウェルテルのロッテに対する思いは偏執的で、あまりに深くあまりに強く、悩みの深さと真摯さに心打たれた。一方で自分自身がこのような感情に突き動かされることはないだろうと寂しくも感じた。

 ひとつ残念だったのは、今回読んだ「古典教養文庫」版は翻訳が回りくどく、すっきりと頭に入ってこなかったことだ。元々の文章が十分回りくどいのだとは思うが、翻訳調の文体に慣れるまではかなり読みにくかった。次回は別の翻訳で読んでみたいと思う。