嫌われる勇気
【作者】
岸見 一郎、古賀 史健
【あらすじ・概要】
自分に自信がなく生きることに悩む”青年”と、アドラー心理学を信奉する”哲人”の対話形式で進む本。非常に内容が濃い。
・原因ではなく目的によって状態は発生している。
例えば、「過去に起こったトラウマを原因として人間不信が起こるのではなく、人との関わりで傷つきたくない、人との関わりを避けたいという目的があるから、人間不信の状態であることを自ら選択している」と捉える。
過去に起こったことの結果であれば、動かしようがないが、自ら設定した目的によるものであれば、自分で買えることができる。
・「何を持っているか」ではなく「どう使うか」
与えられた条件の中でできることをしていく。自分に変えられないことは変えられないが、それでも自分の意思でできることはある。
・課題の分離
自分が対処できる自分の問題と、自分には解決できない他者の問題を分離し
自分の問題だけを扱う。他者の問題に踏み込んではいけない。
・全ての悩みは人間関係による
嫌われる勇気を持つこと
誉めることは他者を下に見ている、対等な関係で感謝を示す。
行為のレベルではなく存在のレベルで必要とする人がいる。
・幸せになる勇気を持つこと
自己肯定感、他者貢献が自分の肯定感につながる。貢献する「他者」は世界であり全宇宙。
・「幸せとは何か」という哲学ではなく「どうすれば幸せになるか」という方法論。
【感想・考察】
極めて内容が濃い。対話形式というのは思索を深めていくのには適しているが、それでも体系的に理解するのが難しい。微妙な観念を元に論理を積み上げていて、順序良く丁寧に理解しないといけない。この本は再読するか、類書を何冊か読んで理解を深めたい。