ビッグバンとインフレーション:世界一短い最新宇宙論入門
【作者】
ジョン・グリビン
【あらすじ・概要】
「ビッグバン」と呼ばれる宇宙の始まりに関する理論と、その謎を説明する初期の宇宙は指数関数的な急激な膨張を引き起こしたという「インフレーション理論」について説明した本。
当初は荒唐無稽と思われた「ビッグバン理論」は、実測結果との合致から広く受け入れられ始めてきたが、まだいくつかの疑問が残っていた。
一つは宇宙の「地平線問題」で、「天球の両サイドの地平線が均質であるのはなぜか」ということ。宇宙の膨張が光速を超えるなら、観測できる宇宙の限界の両端どうしは、どのような情報のやりとりもできないが、なぜ均質であるのかという疑問。
もう一つは宇宙の「平坦性」の問題。これは宇宙が永遠に拡張し続けるモデルと、最収縮に転じるモデルの間の完全に均衡が取れた点(平坦性パラメータΩが1)にあるのか、という疑問。
そして均質な中に銀河やエネルギーの偏在がなぜ起こるのか、もふくめインフレーション理論で説明がつく。インフラトン場(スカラー場とほぼ同義で使われている)では今私たちが理解している4つの力(重力・電磁力・強い力・弱い力)が超高エネルギー状態では統一されていた。集中していたものが指数関数的な膨張により急速に拡大したので均質性が保たれ、量子的揺らぎの残滓が銀河などのささいな偏在を起こしたという。
【感想・考察】
とても短い本だが、専門性が高く入門書としては難易度が高い。馴染みのない用語があまり説明せれずに出てくるので理解が難しい。何度か再読し、同じ分野のもう少し長く詳しい本も読んでみよう。
宇宙の始まりや、マルチバースの可能性など興味はそそられるが、正直理解が追いつかない。