そうか、もう君はいないのか

【作者】

 城山 三郎

 

【あらすじ・概要】

 作者城山氏が、奥様と過ごした人生について記した本。学生時代の出会い、結婚、日々の生活、闘病から、最後に看取る瞬間まで、妻に対する愛情に満ちた視線と共に過ごした静かな幸せを描く。

「静かに行くものは健やかに行く、健やかに行くものは遠くまで行く」というパレートの箴言を大事にしていた。その通り、賑やかに周りの人交わって生活するよりも、家族と静かに粛々と生活することを好んでいて、地に足のついた生活を送っていたが、周恩来と会食をしたり、福田元首相や小渕元首相とも面識があったりと、非常に広い交友範囲を持っていた。

 作者自身も奥さんの死の7年後に無くなっており、それまでに書き散逸していた文章を編集者が整理して作り上げた本。終わりには娘の文章も載せられており、娘から両親への思いも綴られている。

 

【感想・考察】

 タイトルをみて、泣かせにくる系の恋愛小説なのだろうと思って読み始めたが、淡々とした、半ば作者の自叙伝的な内容だった。人生において「妖精」で「天使」な相手と共に過ごせたというのは幸せなことなのだろうと思う。