神酒クリニックで乾杯を

【作者】

 知念 実希人

 

【あらすじ・概要】

  「飲酒による医療ミス」が疑われ、勤務先の病院から追い出された九十九医師が主人公。格闘術に長けた優秀な外科医、演技力を備えた産婦人科医、驚異的な記憶力を誇る内科医兼麻酔医、自動車運転で人格が変わるナースなど、能力バトル漫画並みの特異能力を持った医師たちが勤務する、神酒クリニックで繰り広げられるストーリー。

 天久鷹央シリーズとも世界が繋がっていて、桜井刑事も出てくりし、神酒クリニックには天久翼という鷹央の兄である精神科医もいる。相手の心が理解できないアスペルガーである妹とは真逆で、表情筋の動きなどから相手の心が読めすぎてしまう”さとり”のようなキャラクターとして書かれていた。

 ストーリとしては、実は大手財閥の未認知の息子であった男性がバラバラ死体で発見され、被害者の軌跡を追い、裏カジノや密輸組織との対決する。神酒クリニックのキャラクター達の活躍が単純に楽しいが、ミステリーとしても簡単にストーリーが読めず、展開に引き込まれる。

 

【感想・考察】

 この作者の作品が好きなので、他シリーズから繋がる話は十分に楽しめた。ミステリーとしても、伏線の敷かれ方が丁寧で、鷹央シリーズのような突飛さはない。各キャラクターの物語が断片的にちょい出しされ、続編でさらに踏み込んでくれることを期待したい。楽しい作品だった。