東大主席が教える超速「7回読み」勉強法
【作者】
山口 真由
【あらすじ・概要】
作者は東大在学中に司法試験と国家公務員一種を取得し、主席で卒業。その後財務省を経て弁護士として企業法務に従事、ハーバードロースクールに留学など凄まじい経歴の持ち主。
自分の勉強法である「7回読み」の解説をすると共に、モチベーションの高め方などメンタルに関わる部分も詳しく説明している。
まずはモチベーションの高め方として、「根拠なき自信」から「やらなくても、できる」という思考に陥らないよう、「やればできるから頑張る」とするため、小さな成功体験を積み上げ「自信」を持つことが大事だとしている。
また特に印象深かったのが、問題を解いても間違いを記録して穴を潰すことに注力しない、とか、目標を定める時には実現可能なレベルで逃げ道も残しておくなど、精神的にマイナスの状態に陥らない工夫を数多く取り入れていることだった。
「7回読み」自体は、学ぼうとする分野について網羅性の高い書籍を選択し、最初の数回は流し読みでキーワードを目に入れる程度、4〜5回目くらいで重要な観念の繋がりや論旨を掴み、最後の数回で確認し自らのものとする。300ページくらいの本で、一回あたり30分ほどで読み、全体では3〜4時間くらいで終わらせる。数学などでは「7回解き」などバリエーションも紹介している。読みながらメモをとったり、マーカーを引くのではなく、本自体が語りかけてくる重要箇所を文章の流れから掴む方が良いという考え方。
【感想・考察】
作者はサラサラと読む、と言っているが、一つの本を7回読むというのは、かなり大変なことだと思う。作者自身「勉強は苦しいこと」と規定しているので辛くても頑張るということなのだとは思う。私自身は佐藤優氏などが提唱しているように、一つの分野について入門書から中上級の本まで5〜6冊を読み、複数図書の中から重要ポイントや共通する論旨を抜き出す方が楽だと思う。ただ試験対策など、ある分野の内容を記憶することが必要な場合は、読む本を絞る方が効率的だというのも理解できる。
またこの作者はメンタル面について深く配慮をしている。モチベーションを高めるため、評価を受ける機会を作り、実社会でもゲーム的に自己の評価を高めることに喜びを覚えている。逆に精神的にマイナスとなるような事柄は徹底いて排除しようとしている。
参考となるポイントが多い本だった。