スフィアの死天使 天久鷹央の事件カルテ

【作者】

知念 実希人

 

【あらすじ・概要】

 天久鷹央シリーズの第4作目だが、時系列としては一番最初で語り手の小鳥遊優と天久鷹央の出会いを描いている。

 「宇宙人に命令された」と言い、意志の宿らない目で同僚の医師を殺されるところから始まり、「宇宙人」との交信を教義の根源とする新興宗教との争いを経て、結末に至る。

 

【感想・考察】

 今作では特に鷹央の人物描写が丁寧にされていた分、深く入り込んで読むことができた。鷹央がアスペルガーという”個性”を持ち、天才でありつつ人間関係の不器用さを自覚し、生き辛さを感じていることや、その鋭さから真実に無遠慮に切り込みながらも、”相手を傷つける自分”に心痛めている描写は、このシリーズの面白さを数段階深めてくれた。

 天久鷹央シリーズを読むのであれば、この作品に触れておいた方が間違いなく良い。