なにかのご縁 ゆかりくん、白いうさぎと縁を見る
野崎 まど
アムリタから2へ繋がるシリーズを読み、野崎まどの著作に感銘を受けたが、この作品は尖った部分がなく、違った作風でまた違う魅力を持っていた。
典型的にラノベ的な文体であっさり読みやすいのは、他の作品と同じだが、人の業や内面の闇に深く降りていく部分はなく、人と人の繋がり、縁を暖かく描き、まっすぐに感動させにくるストーリだった。
縁を司るうさぎと、縁が見えるようになった主人公が、恋愛の縁、友情の縁、家族の縁に触れ、死者との縁に絡みとられた人を救い、人と人の縁の暖かさ、人への信頼を描いていて、暖かく優しい読後感を味わえた。
この作者の作品は自分の好みのど真ん中にくる。