この社会で闘う君に「地の世界地図」をあげよう  池上彰教授の東工大講義

池上 彰

 

著者が東工大の理系学生にリベラルアーツの講義をした内容を書籍に起こした本。

池上彰の著作だけあって非常に分かりやすいし、学生の反応も興味深く、通常の書籍とは違う面白さがある。

 

日本が戦時中に原爆の開発に着手していたことなどは、全く知らなかった。もし日本がアメリカより早く原爆を開発していたら歴史が変わったのかもしれないとも思う。

また憲法改正についての講義は最近の安倍政権の動きから非常にタイムリーな内容。現行憲法の成立過程、自衛隊の成立過程など知っているつもりでも、時系列を整理して説明されると理解が深まる。憲法改正に対しどういう態度を取るにしても、歴史を知り、現在を知ることは必要だと思う。

また北朝鮮の3世代に渡る金政権の成り立ちも、最近の北朝鮮情勢を理解するのに役立つ知識だった。この本が書かれた2012年当時からみても金正恩の動き方は大きく変わっているようだ。日本人の大多数は北朝鮮に実際に訪問したこともなく、報道で得た知識のみで判断しているので、実際に現地を訪問した池上氏の話を聞けるのは貴重だと思う。池上氏自身も相当バイアスのかかった見方をする人だと感じてはいるが、自分自身が実際に触れることができないものを判断するときは情報ソースは少しでも多角的である方がましだと思う。

 

2012年以前に行われた講義だが、最近の社会動向を理解するのにも役立つ内容だった。