マイナス・ゼロ

広瀬 正

 

タイムマシンのパラドックスを描くSF。

45年以上も前の作品なのに、文体に古さがなく読みやすかった。

時間移動のパラドックスを語るストーリーで、散りばめられた伏線を拾っていくのは気持ちがいい。戦前や終戦直後の生活の描写も詳細かつリアリティーがあり、面白かった。終戦から70年経ってしまった今、そのころの情景を生々しく書ける人は少なくなってしまったのだろうと考えると、この時代の記録としても貴重だと思う。