世界を変えた10冊の本
池上 彰
主に宗教や経済の側面から、大きな変化をもたらしたと著者が考える10冊の本の紹介。
聖書やコーランなど、宗教書であっても、経済・文化的にどういう影響を与えたのかが説明され、非常に楽しく読めた。
マックス・ウェイバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」で、資本主義のバックボーンとなったのは、プロテスタンティズムの勤勉を尊ぶ倫理観だという提言は、興味深い。
また、サイイド・クトゥプの「イスラム原理主義の道標」にあった、神の前に人は平等で、人間が作った組織や権威は一切認めないという姿勢が、虐げられた人々に受け入れられるのはよく分かる。
イスラムが世界に広がる思想である理由の一端が理解できた。
平易に書かれているが、学ぶべき点の多い本だった。