毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

SF

『あなたの人生の物語』 テッド・チャン

SF

8編の短編集。知的好奇心を刺激しまくるSF!1話目の『バビロンの塔』が少々とっつきにくいけれど、そこで挫折するともったいない。2話目以降が怒涛の傑作ラッシュです。中でも表題作の『あなたの人生の物語』は圧巻。人類とは異なる思考体系を持つエイリア…

『玩具修理者』 小林泰三

めちゃくちゃ面白い!「人間と精密な機械と何が違うの?」と問う『玩具修理者』と、「時間の流れや因果律って人間の主観だよね」という『酔歩する男』 の2編が収められた短編集です。小林泰三さんは、思考実験を突き詰めた「哲学よりのSF」の作品に凄みがあ…

『七回死んだ男』西澤保彦

SF要素が入った「本格ミステリ」です。 超能力とか霊能力が出てくると「論理的」なミステリを成立させるのは難しくなります。 テレポーテーションができる世界で「密室トリック」は無意味だし、「呪い殺す」ことができる世界で「アリバイ」なんかは意味がな…

『密会 アムロとララァ』 富野由悠季

SF

ララァとアムロの邂逅を中心に描く、初代ガンダム「一年戦争」のダイジェストです。富野氏は小説版だと「はっちゃける」と聞いていたけれど、本作はわりとテレビ版オリジナルに近く、違和感なく読めました。ちょいエロ要素が加わったくらいかな。それでも、…

『涼宮ハルヒの驚愕(後)』 谷川流

SF

涼宮ハルヒシリーズ第11弾!『涼宮ハルヒの分裂』から始まる三部作の完結編です。2つに分裂した世界がそれぞれ描かれ、本作の最終章で二つの世界が重なり合います。加速していく展開に引き込まれました。『涼宮ハルヒの消滅』 が、ロボットだった長門有希が…

『涼宮ハルヒの驚愕(前)』

SF

涼宮ハルヒシリーズ第10弾! 前作『涼宮ハルヒの分裂』から続く三部作の真ん中です。前作で二つに分かれた世界線をそれぞれに描き、次作の結末に向けて物語が加速されていきます。前作からの新規登場キャラたちが魅力的で、引き込まれる話でした。三部作完結…

『失われた過去と未来の犯罪』 小林 泰三

長期記憶を失った人類が、外部記憶装置を使って文明を繋いでいくお話です。SF小説の体ですが「人格の本質は記憶の蓄積にあるのか、身体性にあるのか」を突き詰めた哲学的思索の書でもあります。後半は、記憶が外部に出されたらどのようなトラブルが想定され…

『涼宮ハルヒの分裂』 谷川流

SF

涼宮ハルヒシリーズ第9弾!ハルヒたちが高校2年生に進学した4月のお話です。本作から新キャラも登場し、SF的展開に重点を置いた感じです。途中から物語が二つに分岐するので、整理しながら読まないと混乱しそうでした。分岐したストーリーがそれぞれ完結して…

『涼宮ハルヒの憤慨』 谷川流

SF

涼宮ハルヒシリーズ第8弾!高校1年生最後の数か月を舞台にした2つの短編です。今作で面白かったのは、SOS団員たちの書いた「作中作小説」。 特に長門有希の『無題』は、彼女の心象風景が垣間見れるお話でした。次作以降への伏線が張られている匂いがして、先…

『涼宮ハルヒの陰謀』 谷川 流

涼宮ハルヒシリーズ第7弾です。前作『涼宮ハルヒの動揺』の最終話『朝比奈みくるの憂鬱』から引き続いて、未来から干渉を受けた朝日奈とキョンが中心となるお話です。「未来の朝日奈」「8日後の朝日奈」「現在の朝日奈」が複雑に絡む、SF色の強い展開でした…

『涼宮ハルヒの動揺』 谷川 流

SF

「涼宮ハルヒシリーズ」第6弾。前作に続いての短編集で、時系列的には秋から冬にかけての話です。『涼宮ハルヒの溜息』ではあっさり描かれていた、文化祭当日の出来事や、『涼宮ハルヒの消失』前後の出来事が詳しく語られてます。高校の文化祭だとか、部活の…

『涼宮ハルヒの暴走』 谷川流

SF

「涼宮ハルヒシリーズ」第5弾です。夏・秋・冬の3つの短編で、シリーズ前作『涼宮ハルヒの消失』の前日譚+後日譚になります。涼宮ハルヒシリーズは、出版順の作品内の時系列がバラバラになっているけれど、順番に読むことで、伏線が回収され物語世界への理…

『涼宮ハルヒの消失』 谷川 流

涼宮ハルヒシリーズの第4弾です。前作までの伏線を拾う展開も熱く、タイムトラベルもののSFとして楽しめました。。でも、本作でキモとなるのは「長門有希の想い」だったのだと思います。「宇宙人が作ったロボット」だった彼女が、感情という「バグ」を蓄積さ…

『涼宮ハルヒの退屈』 谷川 流

SF

「涼宮ハルヒ」シリーズ第3弾。時系列的には、高校入学直後を描いた1作目『涼宮ハルヒの憂鬱』と、秋の文化祭が舞台となる2作目『涼宮ハルヒの溜息』の間の話です。「無矛盾な公理的集合論は自己そのものの無矛盾性を証明することはできないから」という不完…

『涼宮ハルヒの溜息』 谷川流

SF

「涼宮ハルヒ」シリーズ第2弾です。 前作『涼宮ハルヒの憂鬱』の半年ほど後、秋の文化祭にむけて映画「朝日奈ミクルの冒険」を撮影します。・キョンが寝ていた間に動画編集をしたのは誰?・文化祭準備期間に見かけた「あやしい人たち」は誰? など、未回収の…

『涼宮ハルヒの憂鬱』谷川 流

SF

超メジャー作品ですが未読でした。今回、シリーズ全作が Kindle Unlimited の読み放題対象になっていたので、手を出してみました。「シリーズ1作目は読み放題、2作目以降は買い切りで!」というパターンが多いなか、全作読み放題は良心的です。小説もアニメ…

『除妖師II』 如月恭介

新興宗教とドラッグを使い勢力を強めていく妖術師たちと戦う「除妖師」たちの物語です。「除妖師」に続くシリーズ第2弾なので、前作から順番に読むことをお勧めします。 ミステリ的な頭脳戦から始まり、徐々に大規模な能力バトルに展開していくストーリーが…

『約束のネバーランド』 白井カイウ(原作) 出水ぽすか(作画)

『約束のネバーランド』久しぶりにコミックスのレビューです。 孤児院からの脱走をかけた頭脳戦から始まり、異形の鬼とのバトルものに展開していく、少年マンガ王道のストーリー展開です。ただ主人公エマの設定は、ジャンプ作品としては異色ですね。バトルマ…

『ZOO 1』 乙一

ホラーからSF、ミステリ要素もある、さまざまな作風の短編集です。 設計者が自分を埋葬するために作った少女型ロボットが「心」を学び取っていく話「陽だまりの詩(シ)」が一番好きでした。ホラー寄りの話も「何かが欠損している」人たちの行動は不気味で怖い…

『除妖師』 如月恭介

美人社長の除妖師、Sッ気の強いキャリアウーマン、頭でっかちなクズ男たちが、巨大な敵と対峙する、オカルトファンタジー×近未来SF。 著者の作品では作りこんだ設定のSFである『エンジェル』や、メッセージ性の強い『ハンター』などが好きでしたが、コメディ…

『ソラリス』 スタニスワフ・レム

SF

人類以外の知的生命体との接触を描いた本。人間としての枠組みを超えようとする努力が「2001年宇宙の旅」っぽい感じでした。 ソラリスの探査ステーションに辿り着いた研究員のケルヴィンの前に、10年前に失った恋人ハリーが現れて、ケリーはその意味を考えて…

『ペンギン・ハイウェイ』 森見登美彦

小学4年生のアオヤマ君が、憧れているお姉さんたちと突如現れたペンギンの謎を解き明かしていきます。少年の、140日間にわたる初恋と成長の物語。さわやかで良い話でした。 リンク先にあらすじと感想を上げています。読んでもらえると嬉しいです。 booklet.w…

『日本沈没』 小松左京

タイトル:日本沈没 決定版 作者 :小松左京 パニックSF ★☆☆☆☆☆ 日本文化 ★★★☆☆☆ 読みやすさ ★☆☆☆☆☆ 総合オススメ度 ★★☆☆☆☆ あらすじ 小笠原諸島である小島が一晩で海面下に沈んだ。地球物理学者の田所博士、海洋地質学者の幸長助教授は、潜水艦操縦士の小野…

『スターティング・オーヴァー』  三秋 縋

タイトル :スターティング・オーヴァー 作者 :三秋 縋 タイムリープ恋愛もの ★★★★☆ 人間賛歌 ★★★★☆ ハッピーエンド ★★★★☆ 総合オススメ度 ★★★★☆ あらすじ 「僕」は20歳の記憶を持ったまま10歳に戻った。大好きな恋人がいて、素晴らしい友人に囲まれ、優秀…

『横浜駅SF』  柞刈湯葉

SF

タイトル:横浜駅SF 作者 :柞刈湯葉 SF設定 ★★★★☆ ストーリー ★★☆☆☆ イラスト ★★★★☆ 総合オススメ度 ★★★☆☆ あらすじ-ネタバレ 自己増殖する「横浜駅」と、そこで管理される住人達。駅の外に暮らすヒロトが、エキナカに入り込み冒険を繰り広げる。 [主要登…

『ビアンカ・オーバースタディ』 筒井康隆

あの筒井康隆氏によるラノベ。 ラノベのお約束に乗っかりつつ少し外す。 ノリノリで楽しんでる感じが伝わってきます。 タイトル:ビアンカ・オーバースタディ 作者 :筒井康隆 オススメ度 メタラノベ ★★★☆☆ スラップスティック ★★★☆☆ タイムリープSF ★★★☆☆ …

『ダンシング・ヴァニティ』 筒井康隆 

マルチバースを疾走する、サイケデリックな走馬燈。 不器用な男と家族が織りなす哀愁の物語。 タイトル:ダンシング・ヴァニティ 作者 :筒井康隆 オススメ度 疾走感 ★★★★☆ 幻想的SF ★★★★☆ 哀愁の家族 ★★★★☆ 総合オススメ度 ★★★★☆ あらすじ 同じ情景が少しず…

『それでもデミアンは一人なのか? Still Does Demian Have Only One Brain?』 森博嗣

人間ではないもの、人間が作ったものが、 人間以上に人間らしくなり、 人間以上に正しく生きる世の中が来る。 きっと来るだろう。 否、もう来ているのかもしれない。 タイトル:それでもデミアンは一人なのか? Still Does Demian Have …

『二度めの夏、二度と会えない君』 赤城大空

大切な人を二度失う。 今度はひとかけらの後悔も残さないように。 タイトル:二度めの夏、二度と会えない君 作者 :赤城大空 オススメ度 青春ストーリー ★★★★☆ タイムリープSF ★★★★★ 恋愛物語 ★★☆☆☆ 総合オススメ度 ★★★★☆ あらすじ 北高3年生の篠原智がギタ…

『ハンター』 如月恭介

「不老不死」を手に入れた後、 人は何を望むのだろうか。 タイトル:ハンター 作者 :如月恭介 オススメ度 不老不死の科学 ★★★★☆ ハードなスペンス ★★★☆☆ メッセージ性 ★★★☆☆ 総合オススメ度 ★★★★☆ あらすじ 第二次世界大戦終結間際、ドイツでは不老不死の研…

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