Kennie の読書録

毎日1冊本を読み、記録を残したいと思います。

文学

鉄塔の下で その他の短編

【作者】 赤井五郎 【あらすじ・概要】 不思議な世界観を持つ3つの短編集。 ・鉄塔の下で 子供の頃、誰にも見つからない鉄塔のわきの草むらで空を眺めるのが好きだった。そこでは「リクちゃん」と学校での出来事や山の妖怪の話をしていた。 大人になって、ず…

光あるうちに光の中を歩め

【作者】 レフ・トルストイ 【あらすじ・概要】 冒頭はキリスト教徒が真に神の御心にそった暮らしをしようとしても、現実生活のしがらみに絡めとられ踏み出すことができないシーンから始まる。 次いで紀元100年ごろのローマで富裕な商人の息子であるユリウス…

無人島に生きる十六人

【作者】 須川邦彦 【あらすじ・概要】 無人島で数ヶ月生き延びた16人の実話に基づいた小説。 明治の後半ごろ、南洋漁業の調査船として小笠原諸島に向かった龍睡丸は、強風に帆柱を壊され、海流に乗りハワイまでたどり着く。ハワイで修理をした後日本に戻る…

偽声

【作者】 藤井清美 【あらすじ・概要】 声優を目指す渚の話。 会社を辞め声優養成所に通うがなかなか目が出ない。一緒に学んだ仲間も徐々に脱落していく。 役者である教官からは「声に艶がない」と言われ、「役を愛していない」と指摘される。渚は幼少の頃、…

最後の医者は桜を見上げて君を想う

【作者】 二宮敦人 【あらすじ・概要】 「どれだけ生きるかより、どう生きるかが大事」だと考える医師 桐子は、「死神」と呼ばれながらも、患者に延命以外の選択もあることを示し、尊厳ある選択機会を与える。副院長の福原は「医者は全力を尽くし患者を1秒で…

羊と鋼の森

【作者】 宮下奈都 【あらすじ・概要】 北海道の山間の高校に通う外村は体育館のピアノの調律に立ち会い、音の景色がくっきりと見えることに心動かされ、調律師を目指す。 高校卒業後に調律の専門学校に通い、故郷の楽器店に調律師として就職する。そこでは…

ココロ・ファインダ

【作者】 相沢沙呼 【あらすじ・概要】 写真部員の女子高生、ミラ、秋穂、カオリ、シズ4人のそれぞれの視点から語る4編の短編小説集。 ・コンプレックス・フィルタ ミラが語り手。 ミラはカオリと親しくしているが、自分の容姿に自信が持てず、可愛らしく誰…

蹴りたい背中

【作者】 綿矢りさ 【あらすじ・概要】 うまく学校の友達と馴染めない女子高生の”ハツ”は、ハーフのモデル ”オリチャン”の話をきっかけに、同じようにクラスで浮いている”にな川”から話しかけられる。オリチャンのラジオ番組を必死に聞く にな川にもの哀しさ…

羅生門

【作者】 芥川龍之介 【あらすじ・概要】 平安時代の「今昔物語集」を原典に芥川龍之介が短編小説にした作品。 不況の煽りを受け解雇された下人が「生きるためには盗人となるか、そうすべきではないか」との葛藤を抱え、羅生門の下で雨をしのいでいた。 夜中…

ヒロインの格式

【作者】 神崎京介 【あらすじ・概要】 友美は身勝手な恋人の藤野に振り回される。深夜に呼び出され、事が終われば邪魔者扱いで追い払われる。完全に「都合の良い女」だが「藤野を喜ばせたい、藤野の喜びが自分の喜び」と感じ振り回され続ける。 友美は友人…

肉体の悪魔

【作者】 レイモンド・ラディゲ 【あらすじ・概要】 20世紀初頭、第一次世界大戦のフランスが舞台。15歳の僕は18歳のマルトと出会い、互いに恋心を寄せるが、その時にはマルトは既に婚約していた。 マルトはやがて結婚するが、まもなく夫は戦地に赴く。16…

【作者】 菊池寛 【あらすじ・概要】 摂津の侍であった中村新兵衛は高名な槍の使い手で、その猩々緋の陣羽織と金の唐兜は、敵に脅威を味方に頼もしさを与えていた。 ある日、新兵衛と親しい間柄にある若侍が、「初陣で手柄を上げたいので、新兵衛の猩々緋と…

幸せになる、はじめの一歩 『ある』と『ない』の物語 ~『ない』を『ある』に変える編~

【作者】 夢野さくら(文) たかお(イラスト) 【あらすじ・概要】 母親と一緒にクリスマスケーキを作りたかった「アイリ」。ケーキを一緒に作ることができず拗ねていると、ウサギのセバスチャンが現れ、彼にに導かれ別の国にたどり着く。 そこでは女王から…

日の名残り

【作者】 カズオ・イシグロ 【あらすじ・概要】 ダーリントン・ホールの執事として働く スティーブンス。 前の主人であったダーリントンが亡くなり、アメリカの実業家ファラディが新しい主人となる。スティーブンスは「アメリカンジョーク」を期待通りに返せ…

人間失格

【作者】 太宰治 【あらすじ・概要】 ある男の手記を見た小説家の記録として書かれる。3枚の写真を見て、幼いころの卑屈な笑顔、青年期の空虚な笑い、老年と思われる何の感情もない顔を見て、嫌悪感を覚える。 田舎の裕福な家に生まれた「葉蔵」は幼いころか…

風鈴

【作者】 松浦理英子 【あらすじ・概要】 まだ小学生だった「アオイ」と「ワタル」は、田舎の町で暮らしていた。俳優の父親を持つ「ミヤビ」が父親の撮影に付き合って、夏休みの時期に二人の住む街へ訪れる。ミヤビは二人にボルダリングを教えつかの間の田舎…

偽ガルシア=マルケス

【作者】 古川日出男 【あらすじ・概要】 ガブリエル・ガルシア−マルケス ではない ガブリエラ・ガルシア−マルケスは「私は誰なのか」と問いかける。ガルシア−マルケスの代表作のイメージを再構築して投げかける。物語を育む場として「家」を中核に据えてい…

蜜蜂と遠雷

【作者】 恩田陸 【あらすじ・概要】 芳ヶ江国際ピアノコンクールで繰り広げられる、出場者たちのドラマ。 養蜂家の父と放浪生活を送りながら巨匠に見出され破天荒な才能を開花させた「風間塵」、幼少の頃から音楽の才能を認められていたが、家族の死をきっ…

ジヴェルニーの食卓

【作者】 原田マハ 【あらすじ・概要】 マティス、ドガ、セザンヌ、モネといった印象派を中心とした画家たちについて、彼らと触れ合った人たちの目線で綴った4つの短編。事実を下敷きにしたフィクション。 ・美しい墓 アンリ・マティスの話。 一時期、マティ…

今夜、すべてのバーで

【作者】 中島らも 【あらすじ・概要】 アルコール性の急性肝炎で入院した「小島」の視点で、同室の入院患者、主治医との交流や、泥酔して車にひかれ死んだ友人の天童寺やその妹との関係を綴った物語。普通の社会生活から徐々にドロップアウトしてアルコール…

お坊さんがくれた 涙があふれて止まらないお話

【作者】 浅田宗一郎 【あらすじ・概要】 16編の短編小説集。徐々に幸せを手に入れ、それを失い苦しむが、たとえ勝てなくても負けず、大切なものを見つけていくという大筋は16話全部に通じている。 ①百日紅 輝子は岡山の田舎で育ったが、バブルを迎える派手…

銀の匙

【作者】 中勘助 【あらすじ・概要】 1910年に発表された前編と、1913年に「つむじまがり」として発表された後篇からなる小説。 伯母が自分に薬を飲ませるのに使った「銀の匙」を見つけ、幼少時代を回想する。 主人公は幼少の頃病弱だった。母も病弱であった…

ごん狐

【作者】 新美南吉 【あらすじ・概要】 狐のごんはいたずらで、兵十が捕まえた魚やうなぎを逃してしまう。その数日後に兵十の母親が亡くなったことを知り、母親が最後に食べたかったであろう魚を逃してしまったことに深い後悔を覚え、自分と同じ天涯孤独の境…

旅屋おかえり

【作者】 原田マハ 【あらすじ・概要】 “おかえり” の愛称で呼ばれるアラサー崖っぷちアイドル 丘エリカが主人公。 自身の失言で最後に残った仕事である旅リポート番組も打ち切られ、おかえり自身も所属する弱小プロダクションも窮地に立たされる。そんな折…

マリーの愛の証明

【作者】 川上未映子 【あらすじ・概要】 「ミア寮」の寮生であるマリーは定例のピクニックで、集団から離れ湖のほとりで一人佇んでいた。マリーの恋人だったカレンが訪れ、別れは受け入れるが「私を愛していたのか」を教えて欲しいという。 マリーは「”愛”…

終電の神様

【作者】 阿川大樹 【あらすじ・概要】 電車の緊急停車から動き出す、7つの短編。 ①化粧ポーチ 緊急停車した電車に閉じ込められた乗客が車内で不快な思いをする。ようやく下車し同居している女性が救急車でたらい回しにされていることを知り、「とるものも…

旅する火鉢(ものものがたり1)

【作者】 高樹のぶ子 【あらすじ・概要】 祖父の代からずっと受け継がれ、家の盛衰を見続けてきた大きな火鉢。火鉢に描かれた楽しげな旅人に憧れたのか、祖父は常に旅をする人生をおくった。 ある時、サーカスのテントに誘われ、回転する少女や、火鉢を回す…

優しくって少し ばか

【作者】 原田宗典 【あらすじ・概要】 多彩な男女の関係を描いた6作からなる短編集。 ・優しくって少し ばか 句読点をあまり使わない、文章の区切りを口語的なスピード感でつなぐ手法で、すぐ隣で話を聞いているような感覚を受ける。バブル全盛を迎えよう…

鉄道員(ぽっぽや)

【作者】 浅田次郎 【あらすじ・概要】 浅田次郎の短編集。「奇跡」が起きる8つの短編。 鉄道員(ぽっぽや) 映画化もされた表題作。北海道の寂れた鉄道駅の駅員乙松。彼は不器用で仕事に一途で、娘を亡くした日も、妻を亡くした日も変わらず駅に立ち続けて…

どうか幸せになって

【作者】 ごみたこずえ 【あらすじ・概要】 図書館職員が古くなった本を処分しようとしたところ、高齢の職員から止められ「私はかつてこの本に救われたんだ」と言う。 その本は数十年前に、ある男が娘に贈ったものだった。男は娘が生まれ長くはいきられない…