Kennie の読書録

毎日1冊本を読み、記録を残したいと思います。

文学

旅屋おかえり

【作者】 原田マハ 【あらすじ・概要】 “おかえり” の愛称で呼ばれるアラサー崖っぷちアイドル 丘エリカが主人公。 自身の失言で最後に残った仕事である旅リポート番組も打ち切られ、おかえり自身も所属する弱小プロダクションも窮地に立たされる。そんな折…

マリーの愛の証明

【作者】 川上未映子 【あらすじ・概要】 「ミア寮」の寮生であるマリーは定例のピクニックで、集団から離れ湖のほとりで一人佇んでいた。マリーの恋人だったカレンが訪れ、別れは受け入れるが「私を愛していたのか」を教えて欲しいという。 マリーは「”愛”…

終電の神様

【作者】 阿川大樹 【あらすじ・概要】 電車の緊急停車から動き出す、7つの短編。 ①化粧ポーチ 緊急停車した電車に閉じ込められた乗客が車内で不快な思いをする。ようやく下車し同居している女性が救急車でたらい回しにされていることを知り、「とるものも…

旅する火鉢(ものものがたり1)

【作者】 高樹のぶ子 【あらすじ・概要】 祖父の代からずっと受け継がれ、家の盛衰を見続けてきた大きな火鉢。火鉢に描かれた楽しげな旅人に憧れたのか、祖父は常に旅をする人生をおくった。 ある時、サーカスのテントに誘われ、回転する少女や、火鉢を回す…

優しくって少し ばか

【作者】 原田宗典 【あらすじ・概要】 多彩な男女の関係を描いた6作からなる短編集。 ・優しくって少し ばか 句読点をあまり使わない、文章の区切りを口語的なスピード感でつなぐ手法で、すぐ隣で話を聞いているような感覚を受ける。バブル全盛を迎えよう…

鉄道員(ぽっぽや)

【作者】 浅田次郎 【あらすじ・概要】 浅田次郎の短編集。「奇跡」が起きる8つの短編。 鉄道員(ぽっぽや) 映画化もされた表題作。北海道の寂れた鉄道駅の駅員乙松。彼は不器用で仕事に一途で、娘を亡くした日も、妻を亡くした日も変わらず駅に立ち続けて…

どうか幸せになって

【作者】 ごみたこずえ 【あらすじ・概要】 図書館職員が古くなった本を処分しようとしたところ、高齢の職員から止められ「私はかつてこの本に救われたんだ」と言う。 その本は数十年前に、ある男が娘に贈ったものだった。男は娘が生まれ長くはいきられない…

東京タワーが消えるまで

【作者】 森沢明夫 【あらすじ・概要】 惚れ込んだアーティスト「Deep Sea」を売り出すため、大手レコード会社を退職し、専属レーベルを立ち上げた主人公 佐倉すみれ。体力の限界を超えて働き詰めているうちに恋人とすれ違い「バイバイ」と別れのメールを送…

本日は、お日柄もよく

【作者】 原田マハ 【あらすじ・概要】 幼馴染である広告代理店勤務の今川厚志の結婚式に参席した二宮この葉。久遠久美のスピーチに心奪われ涙する。この葉は同僚の結婚式のスピーチのため久遠にスピーチの作り方を教わる。 同僚の結婚式でのスピーチが参列…

シャンデリア

【作者】 川上未映子 【あらすじ・概要】 毎日のように開店からデパートに入り浸る「デパート依存症」とでも言うべき主人公の女性。わずかばかりのお金に苦労した母を亡くしたあと、忘れていた機器埋込効果音の著作権で高額の印税を手に入れたことから、デパ…

HOLY ホーリー

【作者】 吉本ばなな 【あらすじ・概要】 クリスマスの日、準備を整え幸せな気分で恋人に会いにいく。 大きなプレゼントの箱を抱え、タクシーが拾えずにいる男性を車に乗せる。男性は赤ん坊が生まれたという連絡を受け、取るものもとりあえず、何故か大きな…

老人と海

【作者】 アーネスト・ヘミングウェイ 【あらすじ・概要】 老年の漁師サンチャゴは頼る人もいない境遇だったが、彼を慕う少年に助けられながら、慎ましい生活を送っていた。 84日の不漁の後、沖合まで一人船に乗り込み漁に出かける。ついに「信じられないほ…

足音にロック

【作者】 奥田徹 【あらすじ・概要】 ブラックな職場で働く主人公福岡は、ある時から自分に迫ってくる「死の足音」が聞こえるようになる。「息継ぎもせずに走り続けるような毎日」を惰性で過ごして居たが、少しずつ日常が動き出す。 両親が離婚しかけニグレ…

エイプリルフールに百歳で死ぬということ

【作者】 奥田轍 【あらすじ・概要】 36の掌編小説集。日常の生活を切り取った話や、不思議なショートショート的な話、コメディー的なオチのあるものなど、バラエティーに富んでいる。 中でも以下の作品は印象に残った。 ・絵画教室 老人養護施設などで絵画…

ブルースをうたう三本足の犬

【作者】 いしい しんじ 【あらすじ・概要】 「皮ぶくろ」と名付けられた三本足の犬が、人間の声でブルースを歌い出す。「ソラ」、「キキキ」、「ハンスー」とバンドを組み、世界中を回りライブ演奏をする。とある富豪が「皮ぶくろ」に用意した「ジュークジ…

宵山万華鏡

【作者】 森見 登美彦 【あらすじ・概要】 京都祇園祭での「宵山」を舞台とし、万華鏡のように折り重なる人々と出来事を幻想的に描く。 バレー教室に通う姉妹の妹を主人公とする「宵山姉妹」では、祭りの煌びやかで不安な雰囲気の中、姉とはぐれ赤い浴衣の少…

わたしを離さないで

【作者】 カズオ・イシグロ 【あらすじ’概要】 「介護士」キャッシーの回想として語られる物語。幼少時代から思春期までを過ごした学校的な施設である「ヘールシャム」での出来事が前半をしめる。友人のトミー、ルースや、エミリ先生、ルーシー先生やとの思…

桜の森の満開の下

【作者】 坂口安吾 【あらすじ・概要】 男は屈強な山賊だ、人気のない時に見る満開の桜には気が狂いそうになるような恐ろしさを覚える。 ある日男は桜の元を通りがかった夫婦を襲い女を連れ去り妻とした。女は他に数人いた山賊の妻たちを男に殺させ、生活を…

走れメロス

【作者】 太宰 治 【あらすじ・概要】 人を信用しない為政者の横暴に怒りを覚え抗議したメロスは、捕らえられ死罪を申し渡される。メロスは妹の結婚式にでるため3日間の猶予を願い出て、その間の人質としを親友のセリヌンティウスが請け負う。メロスは帰路…

藪の中

【作者】 芥川 龍之介 【あらすじ・概要】 夫婦が山賊に襲われた事件について、目撃者や犯人、被害者など様々な人が語る。犯人と殺された夫、侵された妻の3人の証言が完全に食い違っていて、どれが真相なのか分からない。人は死してなお、何かを守るため事実…

新釈 走れメロス 他本編

【作者】 森見 登美彦 【あらすじ・概要】 京都の大学生が不思議な世界を織りなす「森見ワールド」で、著名な日本文学を題材に新たなストーリーを作り上げている。モチーフとなったのは以下の5作品。 中島敦「山月記」 小説家を目指す男が「傲慢な自意識」…

山月記

【作者】 中島 敦 【あらすじ・概要】 進士登台した李徴 が、官職を捨て詩作に没頭するが、秀作を著すことができず生活にも困窮し、再び官の仕事に戻る。以前は凡人と見下していた同期たちもすでに昇進し、自らの立場を認められず苦しむなか、李徴は虎に姿を…

神保町奇譚「花咲舞がだまってない」シリーズ

【作者】 池井戸 潤 【あらすじ・概要】 神保町の寿司屋で舞と相馬が聞いた奇妙な話から物語が始まる。 老婦人が数年前になくなった娘の保有していた銀行口座を解約しに行ったところ、娘の死後に数千万円の入金があり、最終的には全て出金されていたことが分…

若きウェルテルの悩み

【作者】 ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ 【あらすじ・概要】 前半は青年ウェルテルが友人ヴィルヘルムに送った手紙から構成される。感受性豊かなウェルテルが豊かな感性を持つ美しい女性シャルロッテ(ロッテ)に恋に落ちる。ウェルテルは束の間の…

パッとしない子

【作者】 辻村 深月 【あらすじ・概要】 男性アイドル佑の小学生時代に図工を教え、その弟の担任だった女性教師 松尾が主人公。 小学生時代の佑と直接の関わりは少なく目立った印象はなかったが、芸術面の才能を発揮する機会を与えたとの記憶はあった。佑が…

四季 冬 Black Winter

【作者】 森 博嗣 【あらすじ・概要】 四季シリーズの最終章となる第4作。前作の「夏」は犀川や萌絵の目線から見た四季の話だったが、今作では四季自身が主な語り部となる。その分高度に抽象的な話が多く、四季の内面を現すように時間も空間もランダムに並…

四季 秋 White Autumn

【作者】 森 博嗣 【あらすじ・概要】 四季シリーズの3作目。今作では四季自身はほとんど登場せず、S&Mシリーズの犀川と萌絵、Vシリーズの紅子と保呂草など、四季を中心につながっている作品群の関係性を描いている。「すべてがFになる」の妃真加島の事件か…

ナベちゃんのヨメ

【作者】 辻村 深月 【あらすじ・概要】 大学時代にコーラス部で一緒だった男友達、ナベちゃんが結婚するという知らせを受けた。コーラス部の女性陣にとってナベちゃんは親切で良い友達だったが、男性として意識されることはなかった。ナベちゃんの婚約者は…

檸檬

【作者】 梶井 基次郎 【あらすじ・概要】 「得体の知れない不吉な塊が心を圧さえつける」という導入。八百屋で見つけた檸檬の美しさ爽やかな匂いに救われる。丸善の画集売り場で画集を見ても鬱々とした気分が晴れなかったが、檸檬を画集の上に置くと色彩が…

アンネの日記 増補新訂版

【作者】 アンネ・フランク 【あらすじ・概要】 ドイツ政府によるユダヤ人迫害を逃れ「隠れ家」で過ごしたアンネ・フランクの日記。最初の方は子供らしい直情的な記述で友達をこき下ろしたりしていたが、信じられないペースで精神的な成熟を果たしている。 …