Kennie の読書録

毎日1冊本を読み、記録を残したいと思います。

文学

神保町奇譚「花咲舞がだまってない」シリーズ

【作者】 池井戸 潤 【あらすじ・概要】 神保町の寿司屋で舞と相馬が聞いた奇妙な話から物語が始まる。 老婦人が数年前になくなった娘の保有していた銀行口座を解約しに行ったところ、娘の死後に数千万円の入金があり、最終的には全て出金されていたことが分…

若きウェルテルの悩み

【作者】 ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ 【あらすじ・概要】 前半は青年ウェルテルが友人ヴィルヘルムに送った手紙から構成される。感受性豊かなウェルテルが豊かな感性を持つ美しい女性シャルロッテ(ロッテ)に恋に落ちる。ウェルテルは束の間の…

パッとしない子

【作者】 辻村 深月 【あらすじ・概要】 男性アイドル佑の小学生時代に図工を教え、その弟の担任だった女性教師 松尾が主人公。 小学生時代の佑と直接の関わりは少なく目立った印象はなかったが、芸術面の才能を発揮する機会を与えたとの記憶はあった。佑が…

四季 冬 Black Winter

【作者】 森 博嗣 【あらすじ・概要】 四季シリーズの最終章となる第4作。前作の「夏」は犀川や萌絵の目線から見た四季の話だったが、今作では四季自身が主な語り部となる。その分高度に抽象的な話が多く、四季の内面を現すように時間も空間もランダムに並…

四季 秋 White Autumn

【作者】 森 博嗣 【あらすじ・概要】 四季シリーズの3作目。今作では四季自身はほとんど登場せず、S&Mシリーズの犀川と萌絵、Vシリーズの紅子と保呂草など、四季を中心につながっている作品群の関係性を描いている。「すべてがFになる」の妃真加島の事件か…

ナベちゃんのヨメ

【作者】 辻村 深月 【あらすじ・概要】 大学時代にコーラス部で一緒だった男友達、ナベちゃんが結婚するという知らせを受けた。コーラス部の女性陣にとってナベちゃんは親切で良い友達だったが、男性として意識されることはなかった。ナベちゃんの婚約者は…

檸檬

【作者】 梶井 基次郎 【あらすじ・概要】 「得体の知れない不吉な塊が心を圧さえつける」という導入。八百屋で見つけた檸檬の美しさ爽やかな匂いに救われる。丸善の画集売り場で画集を見ても鬱々とした気分が晴れなかったが、檸檬を画集の上に置くと色彩が…

アンネの日記 増補新訂版

【作者】 アンネ・フランク 【あらすじ・概要】 ドイツ政府によるユダヤ人迫害を逃れ「隠れ家」で過ごしたアンネ・フランクの日記。最初の方は子供らしい直情的な記述で友達をこき下ろしたりしていたが、信じられないペースで精神的な成熟を果たしている。 …

珍妃の井戸

【作家】 浅田 次郎 【あらすじ・概要】 蒼穹の昴のスピンオフ作品。光緒帝の側室であった珍妃が義和団の乱の際に井戸に落とされ死んだ。諸外国が中国人民に対して行なった行為を調査しに来た4カ国の調査団が珍妃殺害事件の真相を解き明かすため、関わって…

坊ちゃん

【作者】 夏目 漱石 【あらすじ・概要】 直情的な性格の主人公が中学教師として田舎町に赴任する。 抑えの利かない生徒たちや、老獪な教頭・校長が、主人公との衝突を繰り返し、何かをすると全てが筒抜けになるような田舎町で生活していく。 【感想・考察】 …

蒼穹の昴

【作者】 浅田 次郎 【あらすじ・概要】 中国清朝の末期、西太后が列強に浸食される中国を守ろうとしていた時期の史実をベースにしたフィクション。苛烈な科挙を乗り越え状元として進士登第した文秀と、貧しい生まれから抜け出すため自らの意思で宦官となり…

白銀の逃亡者

【作者】 知念 実希人 【あらすじ・概要】 DoMs感染者であることを隠し、救急医として勤務していた の元に同じくDoMs感染者である 少女 悠が訪れる。 DoMs感染から生き残る可能性は低いが、生還者は筋力や知覚能力が向上し、またDoMsウイルスを拡散可能性も…

そうか、もう君はいないのか

【作者】 城山 三郎 【あらすじ・概要】 作者城山氏が、奥様と過ごした人生について記した本。学生時代の出会い、結婚、日々の生活、闘病から、最後に看取る瞬間まで、妻に対する愛情に満ちた視線と共に過ごした静かな幸せを描く。 「静かに行くものは健やか…

記憶の盆踊り

【作者】 町田 康 【あらすじ・概要】 度々酔って記憶をなくす主人公が、飲まない時も記憶が怪しくなり、昔別れた女性と家族と自分の仕事と、その他諸々が徐々に分からなくなり、周りの人々は誰なのか、自分がしていること、自分自身についても徐々に記憶が…

盤上の夜

【作者】 宮内 悠介 【あらすじ・概要】 囲碁、チェッカー、麻雀、将棋、チャトランガ(古代チェス)といった盤上ゲームに魂ごと持って行かれた人物たちの短編集。独立した短編ではあるが、ジャーナリストの視点から各話の主人公たちを一貫した視点から描い…

君の膵臓をたべたい

【作者】 住野よる 【あらすじ・概要】 人と交わることを避け、全てを自分の中で完結させようとしていた男子高校生である主人公が、女子クラスメートの”共病文庫”を読み、彼女が膵臓を病み余命が長くないことを知ってしまう。「人との関わりこそが生きること…

またやぶけの夕焼け

【作者】 高野 秀行 【あらすじ・概要】 昭和40年代頃の少年の日常を描いた作品。一学年上の”カッチャン” を中心に集まったカッチャン軍団が、八王子を舞台に冒険を重ねていく。ドブ川の源泉まで歩いて見たり、ミヤマクワガタ取りや野球で盛り上がったり、手…

吾輩は猫である

【作者】 夏目漱石 【あらすじ・概要】 吾輩は猫である。名前はまだ無い。という導入部分は有名だが、ちゃんと読んだことはなかった本。 猫の一人称視点で人間を観察し、人間の視点では見出せないような人の業をシニカルに切り出した話だが、進むにつれて猫…

ノベライズ この世界の片隅に

【作者】 原作:こうの史代 ノベライズ: 蒔田陽平 【あらすじ・概要】 映画化された同名のコミックのノベライズ版。 第二次世界大戦の開始前から、終戦後しばらくまでの広島・呉が舞台。 広島で暮らしていた すず が 呉に住む 周作に嫁ぎ、戦争の影が濃くな…

なにかのご縁2 ゆかりくん、碧い瞳と縁を追う

野崎 まど 前作からの続き。 フランスから来た高校生縁結びストローランと、年老いた縁結びうさぎのユリシーズが絡んでくる。 今回の話で一番印象的だったのは、先輩と漫画になりたいという夢との絆を切る話。 自分の本気の作品が受け入れられず、自分の能力…

なにかのご縁 ゆかりくん、白いうさぎと縁を見る

野崎 まど アムリタから2へ繋がるシリーズを読み、野崎まどの著作に感銘を受けたが、この作品は尖った部分がなく、違った作風でまた違う魅力を持っていた。 典型的にラノベ的な文体であっさり読みやすいのは、他の作品と同じだが、人の業や内面の闇に深く降…

火花

又吉 直樹 売れない芸人と、彼が師と仰ぐ先輩芸人の話。 芸人さんの作品が芥川賞を受賞したということで話題になっていたが、空虚さと熱さを同時に感じさせる作品の雰囲気は話題性を差し引いてもとても心地よく、没入しやすいストーリーだった。 芸人の感性…

銀河鉄道の夜

宮沢 賢治 青く静謐なイメージの情景描写で全編に渡ってもの哀しい雰囲気に溢れている。 姉弟や蠍やカムパネルラも、他の人のために身を呈し、あるいは身を呈したいと思って命を失った。 ジョバンニは献身と死への旅立ちの思いに触れ、「みんなの本当の幸」…

コンビニ人間

村田 沙耶香 人間の情動を理解できない女性がコンビニという場で役割を与えられ 社会へ帰属し、”普通”にというものを理解しようとする話。 焼き鳥や唐揚げは好きなのに、死んだ小鳥を見てお墓を作ろうと思うのは、本能的に悲しいのではなく、可愛いものが死…

小説 君の名は。

新海 誠 小説版でも景色が目の前に広がるような描写。 湖が光を反射する夕暮れや、都会の朝や、古い神社が鮮やかに目に浮かぶ。 これは素晴らしい才能だと思う。 ストーリーもよく練られていて面白い。 是非とも映画版を見てみたい。

四九日のレシピ

伊吹 有喜 亡くなった乙母さんの願った49日の宴会を 夫と、乙母とは血の繋がらない娘、唐突に現れたイモトとハルミが作り上げていく。 子供のいない女性に対するメッセージ、ひたむきに不器用に人を愛する美しさに心が動いた。 イモトとハルミがいなくなるラ…

侠飯

福澤 徹三 就職活動に苦戦する大学生良太と、部屋に転がり込んできたヤクザ風の男、柳刃のストーリー。 柳刃が作る食事も美味しそうだが、情けない大学生良太との掛け合いが面白い。 良太と友人たちの会話も暖かい。 心が暖かくなるストーリー。

夜は短し歩けよ乙女

森見 登美彦 恋愛ファンタジーというべきか。 癖の強い極彩色の世界観に浸るのが徐々に気持ちよくなっていく。 主人公の”私”は 以外と格好よくて、特に学園祭の話では、ご都合主義かもしれないけれど爽快感のあるストーリー。 夜の街を一人で歩いて、電気ブ…

青天の霹靂

劇団ひとり 自分は望まれて生まれてきた、親の愛を感じて自尊心を取り戻す。 ベタなストーリーだけど、大好きだった。