毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

恋愛

『八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。』 天沢夏月

彼女の死後4年が経った「現在」と、彼女と知り合った高校生時代の「過去」時間を超えた「交換ノート」が思いを綴る、切ないラブストーリーです。 プロローグから、彼女が死んでしまう結末が分かっているのに、その「八月の終わり」に向かわなければならない…

『残業バケーション/運命の人はどこですか?』 柚木麻子

恋愛アンソロジー「運命の人はどこですか?」からのシングルカットです。 仕事に忙殺される歩が、90年代ドラマ「その時、ハートは盗まれた」の話を通して、同期の種田くんと親しくなっていくお話。「大人の夏休みは、自分から動かない限り、作り出せない」 …

『インドはむりめ/運命の人はどこですか?』 南綾子

恋愛アンソロジー「運命の人はどこですか?」の1編を切り出した電子書籍版。友人たちと愚痴り合ってた派遣社員の真樹の前に、人生の選択を迫られます。 お見合いで知り合った人と結婚するか。正社員となる代わりに中国赴任を受け入れるか。内緒で同棲してい…

『化物語(下)』 西尾維新

電子書籍版での「物語シリーズ」3冊目。今回は、羽川翼がメインのラブストーリーです。羽川がメインだけど、前半にでてくる戦場ヶ原とのデートシーンが印象的。シリーズヒロインの座は揺るがせないですね。リンク先にあらすじと感想を上げています。 booklet…

『神様たちのいるところ/運命の人はどこですか?』

恋愛アンソロジー「運命の人はどこですか?」に掲載された短編。30歳の誕生日、かつての恋人と約束した場所であるアテネに向かう里奈のお話です。ギリシア神話の奔放な神々に見守られ、自分の足で歩むことを決意する姿がカッコいい。ギリシアの風景の描写が…

『ゴーストコール: 電話線のない黒電話』 初瀬明生

数世代にまたがるミステリ、家族の絆の崩壊と再生、少年少女の淡い恋物語、幽霊が登場する軽いホラーなどなど、たくさんの要素が詰め込まれたお話。その分かなりのボリュームがある作品になっています。子供の視点から見た「大人たちになりきれていない大人…

『ジョゼと虎と魚たち』 田辺聖子

9つの恋愛短編集です。女性視点の恋愛ストーリーで、正直感情移入がしにくい。でもその分「こういう世界の見え方もあるのか!」という驚きがありました。 「好きな傾向の本」ばかり読んでいると、視界が狭まってしまうのだなと感じます。たまには無理をして…

『もういちど生まれる』 朝井リョウ

20歳の青春群像劇です。前5話の連作短編形式で、それぞれに視点を変えて立体的に物語が紡がれていきます。最初の2話くらいは、大学生の恋愛ものっぽい感じで、正直読みにくかったのですが、3話目くらいからそれぞれの繋がりが見えてくると、俄然面白くなりま…

『心の闇に灯りを点せ~不思議な少女の物語~』 まつながみつる

全3篇の短編集です。表題作の『心の闇に灯りを点せ』は霊感の強い少女の話。スピリチュアルな要素強めですが、日本人の宗教観が透けて見えたりして面白いです。『家庭教師』での心理描写もすばらしく、良い感じの恋愛ストーリーになってました。 リンク先に…

『僕は僕の書いた小説を知らない』 喜友名トト

前向性健忘となり、2年前の事故以降の記憶が保てなくなった小説家アキラのお話です。 アキラは、パソコンに「引継ぎ」記録を残し、妹や友人の力を借りて生活する。 周囲の人たちが前に進む中、自分だけが「何も積上げられない」ことを怖れ、少しずつ小説を書…

『月の娘にスープを送る』 高山環

絆を取り戻していく家族の物語です。夫婦がそれぞれ関わったスマートスピーカーを何者かが乗っとる。未来から来た「ダイオウグソクムシのドッグ」は「娘が犯行に関わっている」という。夫婦と娘を翻弄する犯人と闘う中で、家族は再び繋がっていく。というお…

『涼宮ハルヒの陰謀』 谷川 流

涼宮ハルヒシリーズ第7弾です。前作『涼宮ハルヒの動揺』の最終話『朝比奈みくるの憂鬱』から引き続いて、未来から干渉を受けた朝日奈とキョンが中心となるお話です。「未来の朝日奈」「8日後の朝日奈」「現在の朝日奈」が複雑に絡む、SF色の強い展開でした…

『涼宮ハルヒの消失』 谷川 流

涼宮ハルヒシリーズの第4弾です。前作までの伏線を拾う展開も熱く、タイムトラベルもののSFとして楽しめました。。でも、本作でキモとなるのは「長門有希の想い」だったのだと思います。「宇宙人が作ったロボット」だった彼女が、感情という「バグ」を蓄積さ…

『私が大好きな小説家を殺すまで』 斜線堂 有紀

若くして天才と呼ばれた作家と、虐待を受けながら彼の小説に救われた少女の悲恋の物語です。少女は「憧れの相手が落ちぶれたら死んで欲しいと思う」という完璧主義から抜け出せなかった。若くして成功した作家は、プライドを守るため弱さを見せられなくなっ…

『吉祥寺の朝日奈くん』 中田永一

5つの恋愛短編小説集です。ミステリ的な仕掛けが効いていたり設定の巧みさも面白いのですが、「恋が芽生える瞬間」の心理描写が巧みで、胸がくすぐられる感じです。表紙の「乙一氏推薦!」はちょっとずるい。。こちらのリンク先にあらすじと感想を上げました…

『100回泣くこと』 中村航

「学生時代に拾った犬が体調を崩す。犬が好きだったバイクの音を聞かせるため、4年間放置していたバイクを直そうと恋人が提案する。牛丼を差し入れ、キャブレターの分解整備を手伝う恋人に、彼は突然プロポーズした」という導入です。何かよく分かります。牛…

『ラブレター』 岩井俊二

先日読んだ『ラストレター』の淡々とした雰囲気が良かったので、ずっと遡って本作を読んでみました。本作も「死んだはずの人間との手紙のやりとり」をキーにした淡々とした物語でした。「今ここ」で自分を見てくれる人に愛を返すためには「感情の整理」が必…

『生きてさえいれば』 小坂流加

『余命10年』の作者 小坂流加さんの遺稿だということです。心臓病と戦う叔母がかつての恋人に宛てて書いた手紙を小学生の甥が届けに行き、それぞれの人が抱えるドラマを垣間見ます。いじめられ命を絶つことを考えていた彼は、「生きてさえいれば」人生を変え…

『恋のヒペリカムでは悲しみが続かない』 二宮敦人

「どんな悩み事も解決する」というクラブヒペリカム。超絶美形の元No1ホスト、元体育会系の生真面目な会社員、奔放な大学生、クラブオーナーの老紳士 という4人の男たちが、相談に訪れたお客たちと一緒に悩み成長していく。モテすぎてもらったラブレターの処…

『ラストレター』 岩井俊二

同名の映画「ラストレター」のノベライズ版です。映画監督の岩井俊二さん本人が執筆されています。「美咲」 の死をきっかけに、彼女に憧れていた小説家を目指す男、彼女の妹、彼女の娘や息子たちの人生が動き始めます。その様子をエピソードを丁寧に積み上げ…

『夏の終わりに君が死ねば完璧だったから』 斜線堂有紀

身体が金になってしまう奇病を患う女性と、純粋な愛情を証明するため「完全解」を探す少年の物語です。 その時、二人が死んでいれば「完璧」だったかもしれない。でも完全じゃない世界で生きることもまた素晴らしい。 こちらのリンク先にあらすじと感想を載…

『ロートケプシェン、こっちにおいで』 相沢沙呼

女子高生マジシャン 酉乃初シリーズの第2弾です。「午前零時のサンドリヨン」につづき大分前に読んだ本の再読です。 「トリック」の鮮やかさではなく、その使われ方に感銘を受けました。文句なしに傑作だと思います。 リンク先にあらすじと感想を書きました…

『出雲のあやかしホテルに就職します : 2』 硝子町玻璃

妖怪も神様も人も分け隔てなく受け入れるホテルの話です。 日本に息づく素朴なアニミズムを感じさせます。この緩さが心地よいと感じる自分はやはり日本人なのですね。 こちらのブログにあらすじと感想を書きました。リンク先を見てもらえると嬉しいです。 bo…

『勝手にふるえてろ』 綿矢りさ

妄想が暴走する「こじらせ女子」が面白い。 「好きになった人(1)か、好きになってくれた人(2)か」で揺れ動くピュアなヨシカが「自分の愛ではなく他人の愛を信じるのは、裏切りではなく挑戦」という決意に辿り着くまで。 こちらのブログであらすじ紹介と感想…

『止まない霧』 初瀬明生

何かに熱中することはなかった。 ただ、行けるところに行って順当に人生を歩んでいるように見せかけているだけだ。 周りにも。自分自身にも。 タイトル:止まない霧 作者 :初瀬明生 オススメ度 恋愛ストーリー ★★★☆☆ 家族の物語 ★★★☆☆ バッドエンド ★★☆☆☆ …

『スターティング・オーヴァー』  三秋 縋

タイトル :スターティング・オーヴァー 作者 :三秋 縋 タイムリープ恋愛もの ★★★★☆ 人間賛歌 ★★★★☆ ハッピーエンド ★★★★☆ 総合オススメ度 ★★★★☆ あらすじ 「僕」は20歳の記憶を持ったまま10歳に戻った。大好きな恋人がいて、素晴らしい友人に囲まれ、優秀…

『出雲のあやかしホテルに就職します』 硝子町玻璃

妖怪も神様も人間も分け隔てなくもてなす『ホテル櫻葉』 こういう自然観がしっくりくるのは、日本人だからだろうか。。 タイトル:出雲のあやかしホテルに就職します 作者 :硝子町玻璃 オススメ度 八百万の神たち ★★★★☆ 霊能力者たち ★★★☆☆ ラブコメ ★★★★☆ …

『君が電話をかけていた場所』 三秋 縋

「私の自由のために、祈ってください」 彼女は何に縛られていたのか、最後になって分かります。 タイトル:君が電話をかけていた場所 作者 :三秋 縋 オススメ度 恋愛物語 ★★★★☆ 青春の夏の物語 ★★★★☆ ミステリ ★★★☆☆ 総合オススメ度 ★★★★☆ あらすじ 深町陽…

『僕が電話をかけていた場所』 三秋 縋

私は、今度こそ、幸せな結末の『人魚姫』にしたかったんです。 これでようやく、私は私自身にけりがつけられそうです。 タイトル:僕が電話をかけていた場所 作者 :三秋 縋 オススメ度 青春の夏の物語 ★★★☆☆ 伏線回収 ★★★★★ 悲恋の物語 ★★★☆☆ 総合オススメ…

『二度めの夏、二度と会えない君』 赤城大空

大切な人を二度失う。 今度はひとかけらの後悔も残さないように。 タイトル:二度めの夏、二度と会えない君 作者 :赤城大空 オススメ度 青春ストーリー ★★★★☆ タイムリープSF ★★★★★ 恋愛物語 ★★☆☆☆ 総合オススメ度 ★★★★☆ あらすじ 北高3年生の篠原智がギタ…

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