毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

ミステリ

『あの頃の誰か』 東野圭吾

出版社の関係だったり、長編の元ネタだったり、東野氏本人が気に入ってなかったり、何らかの理由でこれまで出版されなかった「わけあり」作品を集めた短編集です。要はスタメン落ちということだけど、それでも十分面白いし、特に文章の読みやすさはすごい。…

『あの頃の誰か』 東野圭吾

出版社の関係だったり、長編の元ネタだったり、東野氏本人が気に入ってなかったり、何らかの理由でこれまで出版されなかった「わけあり」作品を集めた短編集です。要はスタメン落ちということだけど、それでも十分面白いし、特に文章の読みやすさはすごい。…

『身代わり』 西澤保彦

タック(匠千暁)、タカチ(高瀬千帆)、ウサコ(羽迫由起子)、ボアン(辺見祐輔)たち4人のミステリシリーズ、多分第6弾です。 女性を襲った男子大学生が返り討ちにされて死亡する事件と、女子高生と警察官が同じ部屋で殺されていた事件、無関係にみえる2…

『オーダーメイド殺人クラブ』 辻村深月

スクールカースト上位を自認する中学2年生の小林アン。非リア男女を軽蔑し、ダサい教師をキモいと評し、垢抜けない母親を恥ずかしく思う、ごく普通のリア充女子だ。だがアンは、少年犯罪の記事を切り抜いたり、死体を模した人形の写真集に耽溺したり「ダーク…

『黒の貴婦人』 西澤保彦

「タック&タカチ」シリーズの短編集。大学在学時から卒業後数年まで、長編の間を埋めるような6つのお話です。 このシリーズでは「安楽椅子探偵」的なミステリがメインです。現場の捜査も、関係者からの聞き取りもなくて、誰かの報告をもとに「純粋に論理的…

『麦酒の家の冒険』 西澤保彦

「ビールが詰まった冷蔵庫と、ベッドひとつしかない家」その奇妙な状況を「純粋に理論だけ」で解き明かしてく、安楽椅子探偵的なミステリです。といっても「こういう状況だったら、こういう判断をするのは不自然だよね」みたいな、蓋然性を積み上げていく論…

『依存』 西澤保彦

構成力が凄まじい作品でした。本筋と無関係に見えるエピソードが挟まれ、それぞれを「純粋な論理パズル」として推理されていくのだけれど、そこで浮き上がったテーマが、それぞれラストに繋がるピースとなっています。「立場を変えて見えてくる共依存」「防…

『悪魔を憐れむ』 西澤保彦

「タック&タカチ」シリーズの短編集。彼らが大学を卒業した後、それぞれの道を歩んでいく中で遭遇した事件を描く、4つの短編集です。どの話も「なぜそうしたの?」を問うワイダニットなのですが、その理由に「人間の業」が感じられます。とくに表題作の『悪…

『冤罪者』折原一

連続殺人事件を追うノンフィクション作家の婚約者が殺された。無期懲役の判決受けた「犯人」 は、自白を強要されたとして無罪を主張する。折原一さんの作品ということで「叙述トリック」アリなのは、織り込み済みで読みました。人物の同一性とか、時間軸とか…

『仔羊たちの聖夜』 西澤保彦

タック、タカチ たちの本格推理シリーズです。時系列的には第3段なのかな。 一年前のクリスマスイブ、マンションから飛び降りた女性のプレゼントが、タカチたちの持ち物に紛れ込んでいた。プレゼントを遺族に返そうと調べていると、5年前のクリスマスイブに…

『死体埋め部の悔恨と青春』 斜線堂有紀

「死体埋め部」で大学生活を満喫する、男二人の物語です。これから埋める死体を肴に「ウミガメのスープ」的な推理ゲームを楽しむ、サイコパスっぽい展開でした。斜線堂有紀には「正しさ」とか「愚かさとか」判断基準を少しずつずらしてくる話が多い。この作…

『彼女が死んだ夜』 西澤保彦

その「女性の遺体」には、何層もの複雑な思惑が絡んでいた。「匠千暁シリーズ」の、時系列的には第1弾です。「エピローグ」が印象的でしたね。ミステリ的には蛇足感もあるんだけど、ラスト数ページに「ドライな人間観とウェットな愛憎のせめぎ合い」を集約さ…

『スコッチ・ゲーム』 西澤保彦

複雑な伏線の鮮やかな回収が美しいし、主人公たちの距離感が心地いい。気づかずにシリーズ3作目から読んでしまったが、1作目から読んでみよう。高校生の高瀬千帆は、恋人の恵を殺される。目撃者と同室だった生徒、恵の実家を訪れた生徒が次々と殺された。千…

『七回死んだ男』西澤保彦

SF要素が入った「本格ミステリ」です。 超能力とか霊能力が出てくると「論理的」なミステリを成立させるのは難しくなります。 テレポーテーションができる世界で「密室トリック」は無意味だし、「呪い殺す」ことができる世界で「アリバイ」なんかは意味がな…

『准教授・高槻彰良の推察5 生者は語り死者は踊る』澤村御影

『准教授・高月彰良の推察』シリーズ第5弾! 一見「怪異」に見える事件を「現実的な解釈」で解決していくスタイルのミステリです。でもその中に「本物の怪異」をちょこっと混ぜてくるのが面白い。今作では、主人公の一人である深町を襲った「孤独になる呪い…

『詐欺師は天使の顔をして』 斜線堂有紀

カリスマ霊能力者を演じる「子規冴昼」と、抜群の洞察力と緻密な下準備で彼を支える「呉塚要」の物語。「たった一つの真実」よりも「一番大切な人にとって都合の良い虚構」を追求していく要がカッコいいですね。「嘘つき好き」な私には「コン・ゲーム(詐欺…

『連続殺人鬼カエル男ふたたび』 中山七里

『連続殺人鬼カエル男』の続編です。前作が未読だと、内容を掴めないと思います。必ず順番に読みましょう。今作もグロ表現が多くて、ちょっと読みにくかった。。でも、よく練られたどんでん返しはやっぱり面白い。 ラストはなかなか爽快でした。リンク先にあ…

『毒入りチョコレート事件』アンソニー・バークレー

一つの事件に6人がそれぞれ「これこそが真実」だと思える解決を提示する。でもその後、論理を崩す証拠が後付けで出てきてひっくり返される。ものごとには「多様な解釈の仕方がある」し「いくらでも恣意的にコントロールできる」ことを示したお話です。 技巧…

『連続殺人鬼カエル男』 中山七里

中山七里さん、またまた凄い作品。引き出しの多さに驚きました。終盤の怒涛の伏線回収に、心地よい「騙された感」がありますね。グロい表現は苦手なんだけど、ストーリーに引っ張られて一気に読みました。そんな中「罪と贖罪」のテーマは重いです。刑法39条…

『新本格魔法少女りすか』 西尾維新

10歳の魔法少女りすかと、少年 キズタカの物語です。『ジョジョ』のスタンドや『Hunter×Hunter』の念能力のような「能力バトル」もの。 頭脳戦の要素が強く、魔法は使えないけど「『魔法使い』使い」のキズタカが「スタンド使い」のごとく相手の能力の隙を突…

『ヒポクラテスの試練』 中山七里

法医学ミステリ「ヒポクラテス」シリーズの第3弾! シリーズ3作目で急にスケールが広がりました。 前作までは「司法解剖制度」がないがしろにされることで「多くの異状死が闇に葬られている」ことに警鐘を鳴らしていましたが、本作では「法医学者」の範疇を…

『准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく』 澤村御影

「准教授高槻教授の推察」シリーズ第4弾。このシリーズは、都市伝説の怪異を探りながらも、現実を見た論理的な謎解きミステリになっています。本作では、高槻准教授と学生の深町、二人の主人公のキャラクタストーリーに主軸が移ってきている感じですね。「嘘…

『ヒポクラテスの憂鬱』 中山七里

法医学ミステリー「ヒポクラテス」シリーズ第2弾!助教授となった真琴、死体マニアのキャシー、偏屈な解剖学者の光崎、不器用な刑事 古手川たちが、前作に引き続き「死体の声」を聞いて真実を探ります。今回は「コレクター=修正者」という告発者に翻弄される…

『ヒポクラテスの誓い』 中山七里

「法医学」の世界を描いた「ヒポクラテスシリーズ」の第一弾! 中山七里さんには「職業ミステリ」的なお話が多いのですが、どれもレベルが高い!ピアニストや弁護士、作家から福祉職員、果ては総理大臣まで、幅広い題材なのに手抜きなく良く調べられているな…

『倒錯のロンド』 折原一

タイトルが秀逸ですね! 主題を繰り返す輪舞曲になぞらえ、盗作が連鎖し、倒錯も連鎖していきます。最後に全景がみえると驚きが生まれる。あらすじもネタバレも見ず、予備知識なしで読むのが幸せな作品です。リンク先にあらすじを上げていまうが、あんまり余…

『化物語(下)』 西尾維新

電子書籍版での「物語シリーズ」3冊目。今回は、羽川翼がメインのラブストーリーです。羽川がメインだけど、前半にでてくる戦場ヶ原とのデートシーンが印象的。シリーズヒロインの座は揺るがせないですね。リンク先にあらすじと感想を上げています。 booklet…

『密室殺人ゲーム2.0』 歌野晶午

「密室殺人ゲーム」シリーズの第2弾です。私は間違ってこちらから読み始めてしまったけど、『密室殺人ゲーム王手飛車取り』を先に読みましょう。仕込みが先に見えてしまった。。推理ゲームのために実際に殺人を犯すクレイジーな集まり。後味の悪い話ですが、…

『准教授・高槻彰良の推察3』 呪いと祝いの語りごと

「准教授・高槻彰良の推察」シリーズ第3弾!不幸の手紙+図書館の都市伝説の話と、鬼退治伝説の話でした。最近は、紙の手紙が使われなくなって「不幸の手紙」もなくなってきたようです。メールやSNSなど発信元を隠すのは難しいということなのでしょうか。 別…

『化物語(中)』 化物語 西尾維新

「化物語」電子書籍版の2冊目です。阿良々木暦と戦場ヶ原ひたぎ たちが「怪異」と立ち向かうお話。本巻では、後輩の神原駿河が「猿の手」と戦う『するがモンキー』と、妹の友人 千石撫子を「蛇の呪い」から救う「なでこスネイク」の2編が収められています。…

『クリムゾンの迷宮』 貴志祐介

参加者同士が敵となるバトルロワイアル形式の脱出ゲームです。 メンバー同士の騙し合いや、企画者の意図を読んでいく頭脳戦が面白いですね。こういう「騙し合いゲーム」が結構好きです。全体としては貴志祐介らしく「安定の後味の悪さ」があるのですが、この…

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