ミステリ

四季 冬 Black Winter

【作者】 森 博嗣 【あらすじ・概要】 四季シリーズの最終章となる第4作。前作の「夏」は犀川や萌絵の目線から見た四季の話だったが、今作では四季自身が主な語り部となる。その分高度に抽象的な話が多く、四季の内面を現すように時間も空間もランダムに並…

四季 秋 White Autumn

【作者】 森 博嗣 【あらすじ・概要】 四季シリーズの3作目。今作では四季自身はほとんど登場せず、S&Mシリーズの犀川と萌絵、Vシリーズの紅子と保呂草など、四季を中心につながっている作品群の関係性を描いている。「すべてがFになる」の妃真加島の事件か…

四季 夏 Red Summer

【作者】 森 博嗣 【あらすじ・概要】 前作「四季 春」が幼少期の四季の話だったが、今作は13歳で思春期を迎えた四季の話。今作でも天才の内面の描写が鋭く、思考に追いつかない鈍重な現実に苛立ちつつも、現実世界の中で人との関わりに興味を持ち始めている…

四季 春 Green Spring

【作者】 森 博嗣 【あらすじ・概要】 「すべてがFになる」、「有限と微小のパン」などのS&Mシリーズ作品で強烈な印象を残した、真賀田四季博士の幼少期の話。幼少期といっても「幼少」の要素は全くなく、天才の感性が垣間見えるストーリー。”僕”の一人称視…

白銀の逃亡者

【作者】 知念 実希人 【あらすじ・概要】 DoMs感染者であることを隠し、救急医として勤務していた の元に同じくDoMs感染者である 少女 悠が訪れる。 DoMs感染から生き残る可能性は低いが、生還者は筋力や知覚能力が向上し、またDoMsウイルスを拡散可能性も…

犬にきいてみろー(「花咲舞が黙っていない」シリーズ)

【作者】 池井戸 潤 【あらすじ・概要】 花咲舞シリーズの短編、舞の見合い相手の若社長を助ける話。 実質的に会社を仕切っている工場長の不正告発に悩む若社長を助けるため、舞と相馬が不正証拠を掴もうと伝票の山と格闘する。工場長は最大顧客を握り前代社…

満願

【作者】 米澤 穂信 【あらすじ・概要】 6編の短編集。連作短編ではなく、純粋に独立した話で構成されている。 ・夜警 殉職した部下について回想するうち、「小心者」であった部下が何を思い何をしたのか思い及んで行く話。 ・死人宿 以前の恋人との復縁を…

神酒クリニックで乾杯を 淡雪の記憶

【作者】 知念 実希人 【あらすじ・概要】 神酒クリニックシリーズの第2弾。記憶を失った女性、美鈴が神酒クリニックで治療を受けることになった。彼女はビル爆破に使われた爆弾の時限装置について何かを知っているようだった。精神科医である翼が徐々に記…

神酒クリニックで乾杯を

【作者】 知念 実希人 【あらすじ・概要】 「飲酒による医療ミス」が疑われ、勤務先の病院から追い出された九十九医師が主人公。格闘術に長けた優秀な外科医、演技力を備えた産婦人科医、驚異的な記憶力を誇る内科医兼麻酔医、自動車運転で人格が変わるナー…

盤上の夜

【作者】 宮内 悠介 【あらすじ・概要】 囲碁、チェッカー、麻雀、将棋、チャトランガ(古代チェス)といった盤上ゲームに魂ごと持って行かれた人物たちの短編集。独立した短編ではあるが、ジャーナリストの視点から各話の主人公たちを一貫した視点から描い…

幻影の手術室 天久鷹央の事件カルテ

【作者】 知念実希人 【あらすじ・概要】 天久鷹央シリーズの最新刊。 手術終了後、全身麻酔から覚醒しつつあった患者と麻酔医の二人しかいない部屋で、麻酔医がメスで殺され、患者が容疑者とされた。その患者は主人公である鷹央、小鳥遊と同じ病院に勤務す…

彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone?

【作者】 森 博嗣 【あらすじ・概要】 近未来、人工細胞により人間がほぼ不老不死となるのと引き換えに、生殖能力を急激に失いつつあった。一方、人造人間である ウォーカロンは最初は機械で作られていたが、徐々に人工細胞が用いられ ほぼ全身が有機物とな…

千里眼 背徳のシンデレラ 完全版 (上・下)

【作者】 松岡 圭祐 【あらすじ・概要】 元自衛隊員の臨床心理士である岬美由紀がヒロインとして活躍する連作の最終作。もともと小学館から出ていた話を、全シリーズ全面的に改定して角川文庫から出版している。 本作は上下巻を合わせて1200ページを超える長…

64(ロクヨン)上・下巻

【作者】 横山 秀夫 【あらすじ・概要】 バリバリの刑事だった主人公が警務部の広報官となり、刑事部と警務部、警視庁と現地の警察署の権力争いに翻弄されつつ、自らの職業倫理や家族との関係を見つめ直していくストーリー。 醜形妄想に蝕まれた主人公の娘の…

黒猫の小夜曲

【作者】 知念 実希人 【あらすじ・概要】 ”優しい死神の飼い方” に続く死神シリーズ。前作の主人公である”レオ”と同僚の”高次な霊的存在” である道案内役が、猫の”クロ”となって未練を残して死んだ人々の魂を導いていく。 死に際の”記憶をなくした” 地縛霊…

虚ろな十字架

【作者】 東野 圭吾 【あらすじ・概要】 娘を強盗に殺され、その事件のわだかまりから離婚した前妻が殺された。元妻の足跡を追い、犯人やその親族・関係者達の隠された過去を探り歩いていく話。 元妻は自分の娘を殺された時の苦しさと、その苦しさを乗り越え…

優しい死神の飼い方

【作者】 知念 実希人 【あらすじ・概要】 犬の形で人の世界に降りてきた”死神”が、古い洋館を改築したターミナルケアのホスピスで、死を間近に控えながらこの世に未練を残し、地縛霊となりそうな人々を救っていく物語。 主人公の”死神”は、ホスピスの看護師…

スフィアの死天使 天久鷹央の事件カルテ

【作者】 知念 実希人 【あらすじ・概要】 天久鷹央シリーズの第4作目だが、時系列としては一番最初で語り手の小鳥遊優と天久鷹央の出会いを描いている。 「宇宙人に命令された」と言い、意志の宿らない目で同僚の医師を殺されるところから始まり、「宇宙人…

天久鷹央の推理カルテⅣ 悲恋のシンドローム

知念 実希人 完全にラノベの医療ミステリ。 散りばめられた医学トリビアは面白い。ミステリとしてみると伏線の置き方などが当たり前すぎて、謎をとく面白さという意味では物足りないが、トリックの中心が必ず医療知識となっているのはすごいと思う。 最近の…

天久鷹央の推理カルテⅢ 密室のパラノイア

知念 実希人 ラノベとして書かれた医療ミステリ。3話の短編が収められている。 主人公たちのキャラクタは完全にラノベのノリだが、ちゃんと医学知識をベースにしたミステリになっている。最終話は王道の密室ものできちんんとプロットが練られている。 気軽…

ミステリーの書き方

日本推理作家協会 編著 著名ばミステリ作家たちが、ミステリの書き方について、それぞれのテーマに沿って解説をした本。インタビュー形式だが、回答者がめちゃくちゃ豪華。 福井晴敏の「まずは人間に興味を持つこと」という論から始まり、東野圭吾のミステリ…

防壁

真保 裕一 SP、海上保安庁特殊救難隊、自衛隊の不発弾処理隊員、消防士といった人を守ることを職業とする人が主人公となる4つの短編の連作。 謎解きミステリーとしての側面もあるが、人が死ぬことはなく、主人公が自分の職業に対し真摯に取り組む姿と、それ…

リバース

湊 かなえ この作者のストーリーは暗いものが多い。 このリバースも最後で、思いっきり落としてきてきてはいるが そこに至るまで、人が人を理解しようとする熱さ、暖かさを感じられる話であり 徐々に明かされていく被害者の、透明感があり、少し危うい人とな…

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野崎 まど 野崎まど作品の集大成。 創作とは何か、美しいとは何か、面白いとは何か、愛とは何か 何が私たちを動かし、導いていくのか、突き詰められ狂気の一歩手前か あるいは一歩先まで見せてくれる作品。 アムリタから始まり、お面の少女、死なない生徒、…

パーフェクトフレンド

野崎 まど 10歳にして数学の博士課程を取得した天才少女 さなか が 友達とはなにかを、掴まされていく物語。 友人関係をシミュレーションで”理解した”と考える気味の悪さと 数式では表現しきれない”感情”に戸惑う姿は美しい。 後半は超展開だが、作者が人…

小説家の作り方

野崎 まど 若手小説家と彼から小説を学び、「世界で一番面白い小説」を 形にしようとする”紫” の話。 この話でも、どのように知識を得て、それをどのように血肉にしていくのか 知識と経験への強いこだわりが見えるストーリーだった。 ”紫”の正体や目的など、…

死なない生徒殺人事件 〜識別組子とさまよえる不死〜

野崎 まど プロローグで「俺は”人に物を教える”という事を、舐めていたのだ」とあるが 教師としての反省を超えた意味が込められていることに気づいた。 不死となってしたいことは勉強だという。 この作者は”知る”ということに、並ならぬ情熱を持っているよう…

ビブリア古書堂の事件手帖7 〜栞子さんと果てない舞台〜

三上 延 古書をめぐるミステリシリーズの最終巻。 シェイクスピアのファーストフォリオをめぐる物語。 栞子さんと大輔くんの関係にも、栞子さんと母である智恵子さんとの関係も 一応の決着がついての完結。 夏目漱石、太宰治、手塚治虫、江戸川乱歩からシェ…

舞面真面とお面の女

野崎 まど アムリタが面白かったので、同じ作者の作品を読んだ。 こちらもミステリー仕立てではあるが、アムリタと同様に特殊能力や超常的な現象をキーにしているので純然たる謎解きを楽しもうという読み方には向かない。 非常に軽いラノベ的な会話の応酬を…

[映]アムリタ

野崎 まど ラノベっぽい雰囲気だが、ミステリとしての構成が素晴らしい。 映画に込められた力は非現実的だが、ストーリーとしてぐいぐいと引き込まれる。 この作者は know の時もそうだったが、天才 を描くのがずば抜けて上手い。 絵コンテを読みながら思考…

ロートケプシェン、こっちへおいで

相沢 沙呼 マジシャンの女子高生と、ヘタレで誠実な男子高校生の ちょっとライトノベル的なノリのミステリー。 個別の謎をオムニバス的に解決しながら、一冊を通しての謎も仕掛けられている。 最初から伏線が散りばめられているので、読み返すと色々気づく。…

探偵の探偵Ⅳ

松岡 圭祐 探偵の探偵シリーズの一応の完結。 ミステリとしても、トリビアものとしても、探偵という題材は面白いと思ったけれど、むしろカウンセラーや鑑定士や添乗員の方が読みやすかった。 探偵の鑑定はちょっと気になる。

探偵の探偵Ⅲ

松岡 圭祐 ミステリとして考えられてはいるし、トリビア豆知識も詰め込まれているが 鑑定士の方の、人の死なないミステリの方が好き。 そうはいっても、勝ちパターンを徹底して踏襲して量産するスタイルは 素晴らしと思う。

儚い羊たちの祝宴

米澤 穂信 5編の独立した短編集だが、 「バベルの会」という読書サークルを介して ゆるくつながっている。 それぞれの話のラスト一言が印象的。 1話目の「身内に不幸がありまして」は動機が浮きすぎて笑ってしまったが 2話目の「北の館の罪人」では、語り…

脳男

首藤 瓜於 生まれながらに感情を持たない入陶 大威(いりすたけきみ)の話。 生命活動の本質は感覚の蓄積で、感情が感覚を束ね自我を形成しているという感覚を自分を持つことがある。感覚のみに神経を集中させると自分自身とは別の存在があるように感じる。 …

占星術殺人事件

島田 荘司 トリックが有名すぎて、読んでいる途中ですぐに気付いてしまった。 そのせいでミステリーとして楽しむことはできなかったが、 昭和を感じさせる探偵小説の雰囲気は心地よく、長い話でも一気に引き込まれた。 やはり私はミステリーが好きだ。

祈りの幕が下りる時

東野 圭吾 加賀恭一郎シリーズの集大成的な話。 父親との確執で、遠隔操作で将棋を打っていた話とか なぜ日本橋にこだわっているのかとか、 今まで語られなかった部分が見えてきた。 ミステリとしては、身許偽装の方法が容疑者Xの献身を思い起こさせたり 斬…

探偵の探偵Ⅱ

松岡 圭祐 この作者のいつも通りの雑学満載のミステリ。 万能鑑定士のシリーズの方が、人が死なない分好き。 それでも読ませて引き込む文章はすごいと思う。

その女アレックス

ピエール・ルメートル 最初は誘拐の被害者として、登場したアレックスの計画が徐々に見えてくる。 最後でひっくり返すどんでん返しではないが 何度もアレックスの立場が変わっていく。 また刑事達のチームが魅力的に描かれている。 残忍な描写は多いが、読後…

夏を殺す少女

アンドレアス・グルーパー ウィーンの女性弁護士と、ライプツィヒの刑事がそれぞれに事件を追い 最後に二つの事件が交差する。 ミステリとして大きな謎やどんでん返しがあるわけではないが スピード感のある展開に引き込まれた。 ペドフィリアを題材として陰…

そして二人だけになった Until Death Do Us Part

森 博嗣 S&Mシリーズ以来、久しぶりに読んだ。 第一段階で視点が入れ替わる叙述トリックと思わせて、 第二段階でもう一度ひっくり返す。 読み直してみると、どちらであっても破綻しない記述になっているのはさすが。 第二段階を説明した手記は、政治的配慮に…

完全犯罪に猫は何匹必要か

東川 篤哉 キャラクター同士の掛け合いが楽しいコミカルなミステリー。 10年前の殺人事件とどうつながるのか、 猫探しの依頼と事件がどう関係してくるのか、 プロットは良く練られていて、伏線がちゃんと回収される気持ちよさがある。 なによりこの作者の作…

D坂の殺人事件

江戸川乱歩 高々数十年前の話なのに、街の風俗や文化が全く異世界のよう。 時代の変動をまず感じた。 ミステリーとしては面白い。 ストーリーの見せ方も面白い。 初出となっている明智小五郎のキャラも素晴らしい。 ずいぶん昔に読んだ「心理試験」の不気味…

嫉妬事件

乾くるみ 人が死なないミステリは好きだ。 ふざけた話だけど、伏線の張り方や回収は素晴らしい。

夢幻花

東野圭吾 ストーリーに引き込まれる。 ミステリとしての痛快さは初期の作品の方が良いけれど 人物の描写や、メッセージの伝え方がものすごく上手い。 複雑なプロットから様々な伏線が一つに収束すつのも気持ちが良い。 誠実に生きようとする祖父の姿がストー…

彼女がその名を知らない鳥たち

沼田まほかる デフォルメされてグロテスクにはなっているが こういう共依存はどこにでもあるのかもしれない。 自立した人間が出てこないのが気持ち悪さの原因か。 自立した生き方をしたいものです。