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この国のかたち

【作者】 司馬 遼太郎 【あらすじ・概要】 多くの時代小説を著してきた作者が、歴史観を綴ったエッセイ。多くの切り口があるが、特に印象に残ったのは下記の部分。 ・日本の帝国主義時代 統帥権の肥大によって現れてきた、それまでの日本の歴史と連続性のな…

吾輩は猫である

【作者】 夏目漱石 【あらすじ・概要】 吾輩は猫である。名前はまだ無い。という導入部分は有名だが、ちゃんと読んだことはなかった本。 猫の一人称視点で人間を観察し、人間の視点では見出せないような人の業をシニカルに切り出した話だが、進むにつれて猫…

スフィアの死天使 天久鷹央の事件カルテ

【作者】 知念 実希人 【あらすじ・概要】 天久鷹央シリーズの第4作目だが、時系列としては一番最初で語り手の小鳥遊優と天久鷹央の出会いを描いている。 「宇宙人に命令された」と言い、意志の宿らない目で同僚の医師を殺されるところから始まり、「宇宙人…

ノベライズ この世界の片隅に

【作者】 原作:こうの史代 ノベライズ: 蒔田陽平 【あらすじ・概要】 映画化された同名のコミックのノベライズ版。 第二次世界大戦の開始前から、終戦後しばらくまでの広島・呉が舞台。 広島で暮らしていた すず が 呉に住む 周作に嫁ぎ、戦争の影が濃くな…

フェルドマン式知的生産術

【作者】 ロバート・アラン・フェルドマン 【あらすじ・概要】 知的生産性を高めるための「7つ道具」を紹介。 直線的に追加されていく、足し算の能力と、面積として積分されていくかけ算の能力があるという話。足し算の能力は強いところを伸ばせばいいが、…

天久鷹央の推理カルテⅣ 悲恋のシンドローム

知念 実希人 完全にラノベの医療ミステリ。 散りばめられた医学トリビアは面白い。ミステリとしてみると伏線の置き方などが当たり前すぎて、謎をとく面白さという意味では物足りないが、トリックの中心が必ず医療知識となっているのはすごいと思う。 最近の…

天久鷹央の推理カルテⅢ 密室のパラノイア

知念 実希人 ラノベとして書かれた医療ミステリ。3話の短編が収められている。 主人公たちのキャラクタは完全にラノベのノリだが、ちゃんと医学知識をベースにしたミステリになっている。最終話は王道の密室ものできちんんとプロットが練られている。 気軽…

エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする

グレッグ・マキューン 本質を見極め、「より少なく、より良く」を提唱する本。 目的を持つことが大切だ、方向性を定めることが大切だ、シンプルであることが美しい、と自分の考え方に完ぺきに嵌る本だった。 学習性無力感で選択することを手放してしまう人も…

なにかのご縁2 ゆかりくん、碧い瞳と縁を追う

野崎 まど 前作からの続き。 フランスから来た高校生縁結びストローランと、年老いた縁結びうさぎのユリシーズが絡んでくる。 今回の話で一番印象的だったのは、先輩と漫画になりたいという夢との絆を切る話。 自分の本気の作品が受け入れられず、自分の能力…

なにかのご縁 ゆかりくん、白いうさぎと縁を見る

野崎 まど アムリタから2へ繋がるシリーズを読み、野崎まどの著作に感銘を受けたが、この作品は尖った部分がなく、違った作風でまた違う魅力を持っていた。 典型的にラノベ的な文体であっさり読みやすいのは、他の作品と同じだが、人の業や内面の闇に深く降…

この社会で闘う君に「地の世界地図」をあげよう  池上彰教授の東工大講義

池上 彰 著者が東工大の理系学生にリベラルアーツの講義をした内容を書籍に起こした本。 池上彰の著作だけあって非常に分かりやすいし、学生の反応も興味深く、通常の書籍とは違う面白さがある。 日本が戦時中に原爆の開発に着手していたことなどは、全く知…

孤独の価値

森 博嗣 孤独を感じる心は、孤立が生存を脅かすことに繋がることもあるが、現代においては社会的な刷り込みの要因が大きい。 孤独であること自体は必ずしも悪いことではなく、積極的に楽しむこともできる。 創作や研究に没頭する人には、孤独はむしろ必要不…

一流の記憶術 ーあなたの頭が劇的に良くなり「天才への扉」がひらく

六波羅 穣 物事を記憶する方法を述べた本。 短い本だが、内容は濃かった。 記憶を活用するには、銘記、保持、想起の3ステップを確実に行わなければならない。著者は下記の3点が重要だとしている。 ①対象に注意を向け、情報を短期記憶に入れる ②想起練習を…

火花

又吉 直樹 売れない芸人と、彼が師と仰ぐ先輩芸人の話。 芸人さんの作品が芥川賞を受賞したということで話題になっていたが、空虚さと熱さを同時に感じさせる作品の雰囲気は話題性を差し引いてもとても心地よく、没入しやすいストーリーだった。 芸人の感性…

Kindle PaperWhite

Amazon 本を読む道具として重宝している Kindle について。 効率的に本を読みたいという思いが強く、本を読む手段について試行錯誤を重ねている。今のところ Kindle は読書の道具として最適解の一つだと思う。 ・紙の本か、電子書籍か 紙の本自体はとても好…

AirPods

Apple 本ではないが、主に本を読む(聴く)ための道具として使っている AirPodsのレビューを載せようと思う。 完全無線のイヤホンに興味があり、Bose の SoundLink on-ear Bluetooth headphone を使っており、音質には完全に満足していたが、大きさや取り扱…

ミステリーの書き方

日本推理作家協会 編著 著名ばミステリ作家たちが、ミステリの書き方について、それぞれのテーマに沿って解説をした本。インタビュー形式だが、回答者がめちゃくちゃ豪華。 福井晴敏の「まずは人間に興味を持つこと」という論から始まり、東野圭吾のミステリ…

防壁

真保 裕一 SP、海上保安庁特殊救難隊、自衛隊の不発弾処理隊員、消防士といった人を守ることを職業とする人が主人公となる4つの短編の連作。 謎解きミステリーとしての側面もあるが、人が死ぬことはなく、主人公が自分の職業に対し真摯に取り組む姿と、それ…

三省堂 聞く教科書シリーズ 高等学校 世界史

三省堂編 今、世の中で起こっていることを理解しようとするとき、歴史上の基本的な知識が抜けていると感じることが多い。 例えば中東で多発する紛争やヨーロッパで発生している紛争の話を聞いても、その前提となる歴史の流れを知らないと、誤った捉え方をし…

銀河鉄道の夜

宮沢 賢治 青く静謐なイメージの情景描写で全編に渡ってもの哀しい雰囲気に溢れている。 姉弟や蠍やカムパネルラも、他の人のために身を呈し、あるいは身を呈したいと思って命を失った。 ジョバンニは献身と死への旅立ちの思いに触れ、「みんなの本当の幸」…

僕らが毎日やっている最強の読み方 新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意

池上 彰、 佐藤 優 この2人の対談はいつも面白い。 情報収集のしかたとして、2人はまず新聞に重きを置いている。 なんだかんだ言っても、一次ソースとしてきちんと精査された情報を提供しているのは大手マスコミだし、一覧して重要な情報だけを汲み取りや…

リバース

湊 かなえ この作者のストーリーは暗いものが多い。 このリバースも最後で、思いっきり落としてきてきてはいるが そこに至るまで、人が人を理解しようとする熱さ、暖かさを感じられる話であり 徐々に明かされていく被害者の、透明感があり、少し危うい人とな…

8割を手放せばすべてうまくいく! 全捨離のすすめ 

櫻庭 露樹 開運、とか 波動 が出てくるオカルト寄りの本ではあるが 不要なもの、使わないものを手放し、 残ったものを磨き大事にし、 床の露出する面積を広げる というのは、確かに気分が良くなる。 すぐに行動に移す人が結果を得られるというのも、真実だと…

超訳 般若心教 ”すべて”の悩みが小さく見えてくる

境野 勝悟 般若心教の全文を現代語で意訳し 一つ一つの語句にちなんでコメントをしていくスタイル。 自分の中に積み重なった考え方や感じ方から自由になること。 真言を唱えること。 仏教には大いに興味がある。

「読む」技術 速読・精読・味読の力をつける

石黒 圭 「読む」技術についての本。 書くことや聞くことと比べると簡単に思われる、「読む」という行為だが かける時間は圧倒的に多く、技術の有無で成果が違ってくるという話。 極めて論理的な書き方だが、例文の選択などもうまく 非常に読みやすく頭に入…

中東から世界が崩れる 〜イランの復活、サウジアラビアの変貌

高橋和夫 中東情勢は分かりにくいと感じていたが、この著者の見方はシンプルで理解しやすい。 中東の紛争はイスラム教を軸に語られることが多いが、 実際には地政学的な必要性から生じていて 宗教、宗派の違いが決定的な要因では無いという前提で見ると イラ…

がんばりすぎるあなたへ 完璧主義を健全な習慣に変える方法

ジェフ・シマンスキー 完璧主義により苦しくなることは多々あるが、健全な完璧主義は正当に自分を高めることにつながる。 完璧主義を否定するのではなく、完璧主義の良い部分を拾い、健全な習慣にしていこうと提唱している。 幾つかのポイントを上げると、 ①…

速読日本一が教える1日10分速読トレーニング

角田 和将 まず前提として、速読自体は目的ではなく 目的を達成するための手段であるべきという点が大事。 早く読むことで時間を捻出できたり、たくさん読むことで人生を豊かにしたりすることが目的であり、1分間に何文字読めるかは大事では無い。 また、速…

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野崎 まど 野崎まど作品の集大成。 創作とは何か、美しいとは何か、面白いとは何か、愛とは何か 何が私たちを動かし、導いていくのか、突き詰められ狂気の一歩手前か あるいは一歩先まで見せてくれる作品。 アムリタから始まり、お面の少女、死なない生徒、…

パーフェクトフレンド

野崎 まど 10歳にして数学の博士課程を取得した天才少女 さなか が 友達とはなにかを、掴まされていく物語。 友人関係をシミュレーションで”理解した”と考える気味の悪さと 数式では表現しきれない”感情”に戸惑う姿は美しい。 後半は超展開だが、作者が人…

小説家の作り方

野崎 まど 若手小説家と彼から小説を学び、「世界で一番面白い小説」を 形にしようとする”紫” の話。 この話でも、どのように知識を得て、それをどのように血肉にしていくのか 知識と経験への強いこだわりが見えるストーリーだった。 ”紫”の正体や目的など、…

死なない生徒殺人事件 〜識別組子とさまよえる不死〜

野崎 まど プロローグで「俺は”人に物を教える”という事を、舐めていたのだ」とあるが 教師としての反省を超えた意味が込められていることに気づいた。 不死となってしたいことは勉強だという。 この作者は”知る”ということに、並ならぬ情熱を持っているよう…

ビブリア古書堂の事件手帖7 〜栞子さんと果てない舞台〜

三上 延 古書をめぐるミステリシリーズの最終巻。 シェイクスピアのファーストフォリオをめぐる物語。 栞子さんと大輔くんの関係にも、栞子さんと母である智恵子さんとの関係も 一応の決着がついての完結。 夏目漱石、太宰治、手塚治虫、江戸川乱歩からシェ…

舞面真面とお面の女

野崎 まど アムリタが面白かったので、同じ作者の作品を読んだ。 こちらもミステリー仕立てではあるが、アムリタと同様に特殊能力や超常的な現象をキーにしているので純然たる謎解きを楽しもうという読み方には向かない。 非常に軽いラノベ的な会話の応酬を…

たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく

鳥原 隆志 インバスケットの考え方に基づいた仕事の仕方。 5秒間立ち止まって考えることで、ポイントのズレをなくす。 なにをするか、よりも何を捨てるかが大事。 以下のような短いセッションが複数つながる構成で あっさりと読みやすい。 1 優先順位を付け…

[映]アムリタ

野崎 まど ラノベっぽい雰囲気だが、ミステリとしての構成が素晴らしい。 映画に込められた力は非現実的だが、ストーリーとしてぐいぐいと引き込まれる。 この作者は know の時もそうだったが、天才 を描くのがずば抜けて上手い。 絵コンテを読みながら思考…

そうだったのか! 現代史

池上 彰 現代史の中で重要なトピックスについて、作者の見解を含め簡単に説明した本。 説明の仕方が本当に分かりやすく、すっきりと頭に入ってくる。 この説明の上手さは天才的だと思う。 時代を追った順番ではなく、 湾岸戦争、冷戦の始まり、東西ドイツの…

働く君に伝えたい「お金」の教養 人生を変える5つの特別講義

出口 治明 生命保険会社CEOの立場から、20代を対象とした、お金との向き合い方を説いた本。 お金について「知る」という講義では 今は悪い恵まれない時代だ、というのは不安を煽るポジショントークだという面もあることを教える。 国の年金制度が信頼でき…

know

SF

野崎 まど 数十年後の近未来、情報量とその扱い方が大幅に進化した世界の話。 近年のネット利用の拡大をみるに十分なリアリティーを感じられる設定。 情報量が圧倒的に増え、処理する脳が進化していくことで 神の領域に近づいた少女 ”知る”が知りたかったこ…

新装版 企業参謀 戦略思考とは何か

大前 研一 40年ほど前に出された、企業経営における戦略思考についての本。 取り上げられているケースはテレビやファックスなど時代を感じさせられるものが多いが、戦略的思考についての考察は今見ても非常に新鮮。 問題を考える時、ISSUE TREEを展開し、複…

堂々と逃げる技術

中島 輝 「不安」、「恐れ」、「自信のなさ」 から、周囲からの孤立を恐れたり 今ある環境を離れたら自分は生きてはいけない、という考えから 会社や上司や周りの環境に同調し、逃げ出すことができないのは不幸。 そこから抜け出すためには、ブレない確固た…

ロートケプシェン、こっちへおいで

相沢 沙呼 マジシャンの女子高生と、ヘタレで誠実な男子高校生の ちょっとライトノベル的なノリのミステリー。 個別の謎をオムニバス的に解決しながら、一冊を通しての謎も仕掛けられている。 最初から伏線が散りばめられているので、読み返すと色々気づく。…

汗をかかずにトップを奪え!

三田 紀房 漫画家でもある作者だけあって、語り口は鋭く引き込まれる。 ただ、述べられている内容は至極真っ当で納得がいく。 今の20代・30代は損をしている。 独立できる力を手に入れるのは大切だが、そのためにはすぐに会社を辞めたりするのではなく、…

アメリカ海軍が実践している「無敵の心」の作り方

Mark Divine アメリカ海軍のエリート部隊である SEALSの指導を行った作者が 軍隊指導、空手、ヨガなどを通じて身につけた、Unbeatable Mind を 身につける方法。 多くの要素が詰め込まれた本で、繰り返し読む価値がある。 まずはボックス呼吸と言われる呼吸…

探偵の探偵Ⅳ

松岡 圭祐 探偵の探偵シリーズの一応の完結。 ミステリとしても、トリビアものとしても、探偵という題材は面白いと思ったけれど、むしろカウンセラーや鑑定士や添乗員の方が読みやすかった。 探偵の鑑定はちょっと気になる。

探偵の探偵Ⅲ

松岡 圭祐 ミステリとして考えられてはいるし、トリビア豆知識も詰め込まれているが 鑑定士の方の、人の死なないミステリの方が好き。 そうはいっても、勝ちパターンを徹底して踏襲して量産するスタイルは 素晴らしと思う。

会話は「聞く」からはじめなさい

上阪 徹 著名人へのインタビューを重ね、ブックライターとしても多数の本を出してきた著者の「聞き方」についての本。 特に心に残ったのは、 相場観を持って接すること、自分自身や周りの人間の常識で人と接してはいけない。 また、緊張するのは自分を良く見…

1分間ドラッカー 最高の成果を生み出す77の原則

西村 克己 初めてオーディオブックというものを試してみた。 ドラッカーの言葉に独自の解釈を加え、各1分ほどで解説した本。 特に好きなのは冒頭で紹介された「変化を止めることはできないが、変化の先頭に立つことはできる」という一節。変わることに臆さず…

たった1日で声まで良くなる話し方の教科書

魚住 りえ 腹式呼吸から滑舌のトレーニング、自分の響く声の探し方など 発声に関わる基礎トレーニング方から、話し方のテクニックや 話す内容の準備方法まで幅広くカバーした本。 文章を準備して、楽譜を読むように強調ポイントを探し、 効果的な抑揚をつけ…

儚い羊たちの祝宴

米澤 穂信 5編の独立した短編集だが、 「バベルの会」という読書サークルを介して ゆるくつながっている。 それぞれの話のラスト一言が印象的。 1話目の「身内に不幸がありまして」は動機が浮きすぎて笑ってしまったが 2話目の「北の館の罪人」では、語り…