毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

君のためにできるコト

口下手な くまこちゃん と

気が利く くまおくん のお話です。

とても優しくて、もどかしくて、

最後は心が温かくなりました。

 

【タイトル】

君のためにできる͡コト

 

【作者】

菊田まりこ

 

【あらすじ・概要】

口下手で思いを伝えられない くまこちゃん と

くまこちゃん が大好きな くまおくん。

 

くまおくん は くまこちゃん の願いを叶えるため

できる限りのことをするが、

口下手な くまこちゃん は本当の願いを伝えられない。

 

くまこちゃん の反応がないことで、

「自分がいなくなること」が

くまこちゃん の願いだと思った くまおくん は

最後に叶えてあげる願いとして

くまこちゃんの前から 「いなくなってあげる」ことを決める。 

 

 

【感想・考察】

ゆっくり時間をかけ寄り添って想いを伝え合う

くまこ と くまお が、もどかしいけれど暖かい。

 

「ただ一緒にいること」が貴重だと忘れないようにしたい。

 

 

ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言

 NTTデータ、リクルート、ライブドア、LINE、ZOZO などを

渡り歩いた著者が「自分自身のブランド化」を説く本です。

熱さが伝わってきます。 

 

【タイトル】

ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言

 

【作者】

田端信太郎

 

【あらすじ・概要】

 会社に従属する生き方が維持できない時代には

自分の名前で仕事をする「ブランド人」と

なることが必要だという。

 

汗水に価値はない

プロフェッショナルの仕事は顧客に提供する価値。

頑張ること自体に意味はない。

自分の顧客は誰で、どうすれば自分の仕事が

顧客と社会を盛り立てることができるのかを考える。

 

量をこなせば質に転化する

とはいえ、まずは体を動かして量をこなすフェースも必要。

2年間は量をこなしてみる。

 

何も知らない金魚であれ

アクリル板で仕切られた水槽で飼われた金魚は

板を外されても反対側に行こうとしない。

そこに新しい金魚が入り、反対側に行くと

他の金魚も反対に行き始める。

 

硬直化した組織を動かすのは「何も知らない人」

知らないことは強みである。

 

サラリーマンはノーリスク

ブランド人となるために会社を利用する。

会社はインフラを用意してくれるし、

失敗で多大な損害を引き起こしても

個人に責任追及することはなく、

せいぜいクビになる程度。

ノーリスクを利用して大きなギャンブルを打てばいい。

 

「優秀な人」より「面白い人」

AI時代に「優秀さ」は簡単にコモディティ化する。

人としての面白味と凄味、野望と大義が人を動かす。

 

虚が実を生む

背伸びをして虚勢を張り、恥をかきながら経験を積めば

いつか虚像が実態となる。

まずは自分をステージに押し上げ、

それからつじつまを合わせる。

 

会社なんて幻想

「うちの会社」というような実体はない。

実体としては「人」や「設備」の集まりに過ぎない。

「会社の持つ便利な機能を自分のために使いつくす」と

考えればいい。

 

まずは何でもやってみる

 

とにかく新しいことに触れてみる。

評論家よりもミーハーの方が変転するマーケットで生き残る。

 

フォロワーは資産であり資本

SNSなどで臆することなく発信し、

フォロワーを増やすべき。

会社の肩書は辞めたら何もなくなるが、

SNSのフォロワーは「持ち運び可能な資産」だ。

 

自分をただただ肯定する

SNSのフォロワーが増えると炎上や罵倒に直面する。

それでも関心を持たれている方が良いと考え

ひたすら自分を肯定していく。

 

正直者であれ

ハッタリをかましたり、

ハイリスクな挑戦に失敗することは構わない。

嘘をついたり誤魔化したりするのはダサい。

「正直に生きる」という原則がブランドを強化する。

 

たかがカネのために働くな

「たかがカネ」のために働くのではなく

自分の好きなことを極め、

人の役に立つという思いで仕事をすると

結果的にはカネが寄ってくる。

 

 

【感想・考察】

短くまとめると、

もう 会社に依存することはできない。

自分自身のブランド価値を高めよう。

そのためには臆することなく発信して世界に売り込もう。

ということだろう。

 

組織に束縛されることに愚痴をこぼすくらいなら

自分の価値を高めて自分の名前で働けばよいと私も思う。

そういうことができる時代になっている。

 

ただ、常に時代の最先端にい続けなければならない

とは思わない。

ピークを超えることに震える人もいれば

アベレージの高値安定に幸せを感じる人もいる。

様々なタイプの組み合わせが価値を生むのではないか。

 

いずれにせよ、生き方の一つの提案としては

とても面白かった。 

 

 

ひとつむぎの手

知念美希人さんによる、医療ミステリです。

スーパードクターや死神が出てくるわけでもなく

医師や患者たちの葛藤が淡々と描かれる人間ドラマでした。

「神様のカルテ」とかが好きな方なら楽しめると思います。

 

【タイトル】

ひとつむぎの手

 

【作者】

知念美希人

 

【あらすじ・概要】

大学付属病院の心臓外科医 平良祐介 が主人公。

 

祐介は教授の甥である針谷と競っていたが、

教授に心臓外科としての経験を積める病院への出向をちらつかされ

3人の研修医の指導を行うことになる。

 

研修医たちに心臓外科配属を希望してもらえるよう

過酷な実態を隠そうとするのが裏目に出て信頼を失うが

祐介の医師としての真剣な姿を見せることで

徐々に尊敬を集めていく。

 

そんなおり「教授が薬品会社と癒着している」という

怪文書が病院にひろがる。

教授は祐介に怪文書を出した人を突き止めるよう依頼する。

 

 

【感想・考察】

市中病院への医師派遣で影響力を持つ医局の功罪や

医局の人事権を武器に医師を支配する教授たちを描く。

 

過酷な労働環境の中で患者に寄り添い働く医師たちや

自らの命と理不尽な病気に向かい合う患者たちの心象を描いている。

 

従来の知念氏の作風と少し違ってかなり重い話になっている。

ミステリの要素もあるが薄く、病院を舞台にした人間ドラマだ。

 

平良祐介は、フラフラとブレるし、

打算的で嫉妬深いところもあるが、

医療に対して、患者に対して、部下に対しても

真面目に向かい合う真摯な医師だ。

 

特にすごいと思うのが、物語終盤で見せる「許し」だ。

勧善懲悪的なフォーマットから外れることには違和感があったし

賛否の分かれるところだとは思う。

ただ、やたらに不寛容さが広がっている現代では、

こういう選択をする人がいることにも意味があるのだと思う。

 

 

ウケる日記

水野敬也氏の2011年〜2012年頃のブログで

特に人気の高かったものをまとめた本です。

下ネタ満載ですがとにかく面白く読めます。

緩急をつけた圧巻の文章力に感服しました。

 

 

【タイトル】

ウケる日記

 

【作者】

水野敬也

 

【あらすじ・概要】

雑記ブログなのであらすじも概要もないが。。

 

・アメブロ削除事件

下ネタ記事がアメブロで削除された事件を拾って

 サイバーエージェントの藤田氏、楽天の三木谷氏をおちょくる。

 

・正しい花見のやりかた2011

東日本大震災直後の記事。

「不謹慎」を論う世情に突っかかる。

 

・かわいそうなチャッピー

「カワウソは可愛いのに名前で損してる」という話。

 

 

【感想・考察】

語られている内容自体はどうでもよいことなのだが、

読み手にとって「面白い文章」とはどういうものなのか

徹底的に考えられている。

 

内面描写では敢えて「小物感」を出す自虐ネタで

イヤミなく親近感を持たせている。

 

妄想炸裂でテンションが上がりまくると思えば

急に冷静な視点になって落としたり、

いい話と思わせて、無意味なオチに落としたり

読者を揺さぶる感情コントロールが抜群にうまい。

 

自虐ネタをイヤミなく書けるのは

確たる自信があるからだろうし、

人の感情を揺さぶる文章を書けるのは、

人に深い関心を持っているからなのだろう。

 

こういう「力のある文章」を書ける人は素晴らしいと思う。

 

下ネタはちょっとしつこいが。。

 

 

大前研一 2019年の世界~2時間で学ぶ、今の世界を理解する3本の軸~

3つのポイントから、2019年の世界状況を解説しています。

大前研一氏のセミナーを基に書籍にまとめたものです。 

 

【タイトル】

大前研一 2019年の世界~2時間で学ぶ、今の世界を理解する3本の軸~

 

【作者】

大前研一

 

【あらすじ・概要】

・独裁型国家モデルの台頭、

・主導国が無くなった国際社会、

・デジタル技術による既存産業の破壊

の3つの観点から今日の世界状況を解説する。

 

①国家モデルの変遷~西欧型民主主義から独裁型へ

 西欧型民主主義を理想とする時代が長く続いたが

テクノロジーによるボーダレス化で「新興国」の経済発展が進み、

成長期に有効な「独差型国家」が力を持ち始めた。

 

米国のトランプを始め「民主的な手続き」で選ばれた人が

独裁的なリーダーになるという現象が増えている。

メキシコのオブラドール、ベネズエラのマドゥロ、

ブラジルのボルソナーロ、トルコのエルドアン

フィリピンのドゥテルテなど。

大国でも中国の習近平、ロシアのプーチンなどは

独裁的な傾向を強めている。

 

②Gゼロ-マイナス1~主導国なき国際社会

米国トランプが「自国First」主義で

国際社会の秩序維持という役割から降りた。

 

トランプの「移民や中国に雇用を奪われた」

という認識は完全な誤りだとする。

トランプの認識はグローバル経済モデルの

変遷についていけていない。

 

 第1- 地域ごとに生産性の高いものを交換する

  「比較優位論」モデルの時代。

 第2- 先進国が自国で製造した製品を輸出する。

  人件費の違いがポイントとなる。

  1980年代~90年代の日米貿易摩擦はこの段階。

 第3- グローバル企業が国境を越え最適地で生産し

  顧客のある市場で販売する。

  Apple や HP など。

 第4- 通関統計に反映されないサイバー経済。

  Google、Amazon など。

 第5- eコマースのフェーズ、電子決済の領域。

  アリババ、テンセント、平安保険など。

 

第1、第2フェーズは 第3フェーズの

グローバル企業の活動に巻き取られている。

第3フェーズでは米国企業が圧勝している。

第4フェーズでは、規模的には米国・中国が大きいが

グローバルに活躍しているのは米国企業。

第5フェーズでは中国企業が圧勝という状況。

 

トランプは未だ第2フェーズの認識に囚われ

貿易戦争を仕掛けようとしている。

 

③デジタル・ディスラプション~既存産業の破壊

 自動車産業では EV化、自動運転、カーシェアが

急速に進んでいる。

また Amazonなどが 小売市場を破壊し始めている。

 

デジタル・ディスラプションの時代に

人間には1を10にするのではなく、

0を1にする能力が求められる。

 

④日本の今後

日本は平成の30年間に国際的な影響力を大きく落とした。

今後の方向性として

・世界をかき回すトランプに反応しない

・AIやロボットに負けないインスピレーションをもつ人材の育成

・「主権国家」から「地域国家」へのシフト

を提唱している。

 

 

【感想・考察】

セミナー、講演の内容をまとめたものなので

全体の構成が分かりにくいところもあるが

大前氏の目指す方向性はよくわかる。 

 

基本的にグローバルでの発展を志向していて

EUのような国を超えた試みに好意的な一方、

トランプのような「自国優先主義」を嫌う。

 

私も、グローバルな融和は不可欠だと思うが

情報技術の発展で急速に進みすぎたグローバル化に対して

反動的な動きがあるのは必然だと感じる。

 

例えば資本主義の発展による弊害が大きくなった時期、

共産主義のような反動が起こり、

その影響で資本主義が次のステージに上がっている。

 

同じようなことがグローバルとローカルの関係でも

起こるのではないだろうか。

 

 

完全教祖マニュアル

「教祖になって甘い汁を吸い、後世に名を残したい人」

に向けたマニュアルです。

宗教を揶揄うような表現ですが、どのような背景であっても、

「ハッピーになる人がいるならいいじゃん」というスタンスです。

教祖になりたい人には必読の書だと思います。

 

【タイトル】

完全教祖マニュアル

 

【作者】

架神恭介、辰巳一世

 

【あらすじ・概要】

 

教義を作る

実利的に「神」(あるいは相当する信仰対象)

 の役割を定義する。

困っている人を助けるのではなく、

困っていることを肯定できるようにするのが神の役割。

 

一から教義を作るのは大変なので

既存宗教を利用しつつ、オリジナリティを加えたり

先鋭化したりするのがオススメ。

 

「反社会的」な要素を組み込むことが大事。

キリスト教などメジャーな宗教でも

当時の社会の枠組みで虐げられていた人々に訴え

その時代には「反社会的」だったことを当たり前に変えた。

 

高度な哲学を組み込み、体系立てることが必要。

ただこれは教祖自身が行う必要はなくインテリに作らせる。

釈迦の様な天才であれば別だが、キリスト教などは

教祖が語った言葉を後継者が体系立てている。

 

インテリを巻き込むためには

やや突飛な「前提」と「問題点」を結びつけること。

仏教であれば「輪廻転生」という「前提」と

「生きることは苦しみに満ちている」という問題を結び

「修行により輪廻から離脱する」という解決を示している。

「前提」と「問題点」があればインテリが勝手に解釈してくれる。

 

大衆に迎合する

高度な哲学を備えつつも、教えは簡略化する。

「どのようなプロパガンダも、その知的水準は

獲得すべき太守の最低水準に合わせるべき」

 

極めて高度な哲学体系となっている仏教も

「南無阿弥陀仏と唱えれば極楽浄土に行ける」

と極端に簡素化した浄土教が日本では広がった。

 

人が求めるのは「現世利益」

その人が「良い」と考えていることを後押しするのも

当人にとっての利益となる。

 

「偶像崇拝」には大きな力がある。

偶像を禁じる宗教も、その力を懸念している。

 

信者を保持する

 

宗教を持たない人は「オカルト的体験」を消化できない。

「不思議」に「意味付け」することで安心できるし、

その世界観を捨てることができなくなる。

 

「困っていること」を作り出し、救済を与える。

「アダムとイブの原罪で、このままだと地獄行き」と

言われると平和な日常を送っていた人も不安になる。

仏教でも「生きているだけで困っているだろう」とする。

 

そこで「神を信じれば天国に行ける」

「修行して悟りを開けばオッケー」という救いを与える。

 

食物規制や独自の暦、イベントなどで

「自分たちが特別だ」ということを繰り返し意識させる。

 

教義を進化させる

「ただ信じればいい」というのは意外に難しい。

権威を振りかざし義務を与えることで

信者は「自分で判断する」大変さから解放される。

 

科学的体裁をとることも効果的。

 普通の人は信じたいことを信じるので、

「科学的検証」で反証されることを恐れる必要はない。

 

布教する

費用対効果の高いところから布教を進める。

弱っている人、 金持ちを狙う。

「豊かな物質生活より、教義に従うのが幸せ」

と本気でハッピーにできるのであれば

お金を取ることを躊躇する必要はない。

 

個別訪問は効率が悪く思えるが、

「将来困るかもしれない潜在信者」に

印象を残すだけでも意味がある。

 

コミュニティを作り、居場所を作ることも重要。

別世界を印象付ける宗教建築も役に立つ。

 

困難に打ち勝つ

他教団の弱点を突き勧誘するのは有効だが

やりすぎると敵を増やす。

他教を認めつつ、その教義を自分たちの中に取り込むのも手。

 

新興宗教は迫害を受けやすいが、

むしろ内部的な結束を高める効果もある。

 

甘い汁を吸う

教祖にとって出版は美味しいビジネス。

教徒が確実に買ってくれるし、

布教のため複数冊買う人も多い。

「不要なもの」に別の価値観を与え売るのも有効。

 

喜捨が教団内のでポジショニングに影響するようにしたり

名誉欲を刺激するような方法を取る。

「お金のある所からとる」のが鉄則。

 

後世に名を残す

奇跡は弟子たちが作り上げる。

自分は何もしなくても話を少しずつ持ってくれる。

何もしないで、悠然としていることが大事。 

 

 

【感想・考察】

 宗教をおちょくる視点で書かれているので

真面目な信仰を持つ人には不快な本かもしれない。

 

とはいえ単に宗教を否定するものではなく

既存の宗教についてよく学んで書かれており、

「結果的にハッピーにしている」宗教には

大きな価値があると認めている。

 

また、本書の内容は宗教に限らず組織やビジネスの

運営全般に活かせる部分もある。

逆に、宗教団体に限らず、一般企業などが取っている

戦略の裏を見抜くことにもつながる。

 

例えば以下のような点だ。

 

・今の社会常識で 不遇なことに焦点を合わせ

 その点で「反社会的」な目的を掲げる。

 

・判断を面倒と感じる人にとっては、

 方向性を示すのは、束縛ではなく導きとなる。

 

・「独自の哲学」と「現実の問題点」を結び付ける。

 理論を体系立てるのはインテリに任せる。

 

・独自の規則などで組織への帰属意識を高める。

 

・困っていることに気づいていない人の

 「困りごと」を可視化する。

 

宗教関連の本とは思わずに読んでみることをお勧めする。

 

 

いつでも会える

数分で読める絵本ですが、泣かされます。。

 

【タイトル】

いつでも会える

 

【作者】

菊田まりこ

 

【あらすじ・概要】

みきちゃんの飼い犬シロ。

みきちゃんのことが大好きで、

一緒に過ごす時間は嬉しくて楽しくて幸せだった。

 

ところがある日、ずっと一緒にいられると思っていた

みきちゃんがいなくなってしまう。

いくら探してもみきちゃんは見つからない。

 

みきちゃんに会いたい。

シロは悲しくて寂しくて不幸だった。

 

みきちゃんのことを考えて目を閉じると

みきちゃんの声が聞こえた。

みきちゃんはあの日のまま、遠くて近いところにいる。

シロはいつでもみきちゃんに会える。

 

 

【感想・考察】

ペットを亡くした飼い主の視点ではなく

飼い主を亡くしたペットの視点が描かれている。

 

シロは純粋な思いを飼い主に向ける。

シロの考えは、もちろん人間の考えの投影なのだが

「打算のないひたむきな思い」が胸を打つ。

 

人間というのは

意外と単純で純粋なものなのかもしれない。

 

 

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