三省堂 聞く教科書シリーズ 高等学校 世界史
三省堂編
今、世の中で起こっていることを理解しようとするとき、歴史上の基本的な知識が抜けていると感じることが多い。
例えば中東で多発する紛争やヨーロッパで発生している紛争の話を聞いても、その前提となる歴史の流れを知らないと、誤った捉え方をしてしまうかもしれない。世界の人々と交わっていこうと考えるときに、基礎的知識は前提条件として必須だと感じた。
教科書というのは網羅的で、概説的な流れを掴むのには適当だ。
学生時代には事実の羅列だけで無味乾燥だと感じていたが、”今”の問題意識から遡って捉えると面白さを感じられる。
また、オーディオブックという形式は、隙間時間を有効に使える。
Amazon Audible の聞き放題サービスもあるし、わたしは Apple の iBooksを使って聞いている。歩いている最中など、スマホを取り出して本を読むのも憚れるような状況で、情報収集ができるのはよい。
僕らが毎日やっている最強の読み方 新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意
池上 彰、 佐藤 優
この2人の対談はいつも面白い。
情報収集のしかたとして、2人はまず新聞に重きを置いている。
なんだかんだ言っても、一次ソースとしてきちんと精査された情報を提供しているのは大手マスコミだし、一覧して重要な情報だけを汲み取りやすいようレイアウトなども工夫されている。
近年では新聞社ごとの論調の偏りは強くなっているので、2紙以上を購読することを進めている。
雑誌は種類にもよるがある程度は裏付けが取れた情報であり、自分の興味がある事柄の周辺情報がみれたり、自分は関心がなくとも世の中のトレンドとなっている事項がある程度頭にインプットされるのは長所と言える。
ネットの情報は玉石混交で、高精度の情報を得るのは難しく、上級者向けのメディアだという認識。また、自分が意識的に取りに行かない情報は全く手に入らなくなるので見方が狭くなる危険性が高い。特に最近では閲覧履歴からおすすめ情報をサジェストする機能が進化していて、自分の認識を強化する情報ばかりが入力されてしまうと、視野狭窄が進んでしまう。
世の中を理解するには書籍がベースになる。良い基本書をじっくり読み基礎知識をつけることが必要。
池上氏は何かについて書かれた本を数冊読むと、そのネタ本が見えてくるので、ネタ本に当たるものよいと勧めている。佐藤氏は時に難解な本と格闘しながら論理的思考力を鍛えることの必要性にも言及している。
また、基本的教養の一部が欠落していると、その上に体系的な知識を積み上げることはできないので、中学・高校レベルの教科書を読むことも勧めている。
本をたくさん読もうと思うと、どのような読み方をするのが実り多いのか考えてから進むひつようがある。
8割を手放せばすべてうまくいく! 全捨離のすすめ
櫻庭 露樹
開運、とか 波動 が出てくるオカルト寄りの本ではあるが
不要なもの、使わないものを手放し、
残ったものを磨き大事にし、 床の露出する面積を広げる というのは、確かに気分が良くなる。
すぐに行動に移す人が結果を得られるというのも、真実だと思う。
不要は残さず、少数の大事なものに囲まれるのが理想。
超訳 般若心教 ”すべて”の悩みが小さく見えてくる
境野 勝悟
般若心教の全文を現代語で意訳し
一つ一つの語句にちなんでコメントをしていくスタイル。
自分の中に積み重なった考え方や感じ方から自由になること。
真言を唱えること。
仏教には大いに興味がある。
「読む」技術 速読・精読・味読の力をつける
石黒 圭
「読む」技術についての本。
書くことや聞くことと比べると簡単に思われる、「読む」という行為だが
かける時間は圧倒的に多く、技術の有無で成果が違ってくるという話。
極めて論理的な書き方だが、例文の選択などもうまく
非常に読みやすく頭に入ってくる。
3つの読み方として
「速読」、「精読」、「味読」を挙げている。
「速読」のためのストラテジーとして
・トップダウン処理を利用し、自分の頭にある
スキーマを利用した「話題ストラテジー」
・重要そうな情報だけを選択する「取捨選択ストラテジー」
「味読」のためには
・文字から映像を思い浮かべる「視覚化ストラテジー」
・次の展開を予測する「予測ストラテジー」
・文脈を理解し一貫性を持たせる「文脈ストラテジー」
「精読」のために
・行間の意味を読み取る「行間ストラテジー」
・自分なりの意味づけを加える「解釈ストラテジー」
・繰り返し角度を変えて読むことで定着させる「記憶ストラテジー」
を挙げている。
速く読むべき内容もあれば、精密に読み内容を記憶するべき内容もある。
小説などでは味わって読むことに意味がある。
読み方の本ではあるが、裏返すと書き方についての説明にもなっている。