毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

小説家の作り方

野崎 まど

 

若手小説家と彼から小説を学び、「世界で一番面白い小説」を

形にしようとする”紫” の話。

この話でも、どのように知識を得て、それをどのように血肉にしていくのか

知識と経験への強いこだわりが見えるストーリーだった。

 

”紫”の正体や目的など、二転三転のどんでん返しがあり

ミステリとして読んでも楽しめた。

 

同じ作者の アムリタ にあった「この映画はきっと とても面白い」という映画も見てみたいし、「世界で一番面白い小説」も読んでみたい。

この作者の作品をしばらく読んでみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

死なない生徒殺人事件 〜識別組子とさまよえる不死〜

野崎 まど

 

プロローグで「俺は”人に物を教える”という事を、舐めていたのだ」とあるが

教師としての反省を超えた意味が込められていることに気づいた。

 

不死となってしたいことは勉強だという。

この作者は”知る”ということに、並ならぬ情熱を持っているようだ。

ここまで読んだすべての作品に、限りなく多くの事を知りたいという好奇心の爆発を感じる。

 

ミステリっぽいストーリー運びだが、最後まで読むと純粋な謎解きでは無い。

ただひたすら引き込まれる話だった。

 

四角形と五角形の中間の図形というモチーフも頭を離れない。

読者の知識欲や好奇心を刺激する作者だ。

 

 

ビブリア古書堂の事件手帖7 〜栞子さんと果てない舞台〜

三上 延

 

古書をめぐるミステリシリーズの最終巻。

シェイクスピアのファーストフォリオをめぐる物語。

 

栞子さんと大輔くんの関係にも、栞子さんと母である智恵子さんとの関係も

一応の決着がついての完結。

 

夏目漱石、太宰治、手塚治虫、江戸川乱歩からシェイクスピアまで

古書にまつわる話だけで、ここまで幅広いバリエーションを持たせるのはすごい。

単なる薀蓄ものではなく、本を読んでみたいと思わせる力がある。

作者が本好きなのだろうと伝わってくる。

 

 

舞面真面とお面の女

野崎 まど

 

アムリタが面白かったので、同じ作者の作品を読んだ。

 

こちらもミステリー仕立てではあるが、アムリタと同様に特殊能力や超常的な現象をキーにしているので純然たる謎解きを楽しもうという読み方には向かない。

 

非常に軽いラノベ的な会話の応酬を楽しみながら、ストーリーの流れを追っているうちに、何重にも仮面をかぶって生きることの重さを感じさせる。

軽さと不気味さ重さが同居する面白さ。

連作になっているようなので、続けて読もう。

 

 

 

たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく

鳥原 隆志

 

インバスケットの考え方に基づいた仕事の仕方。

5秒間立ち止まって考えることで、ポイントのズレをなくす。

なにをするか、よりも何を捨てるかが大事。

 

以下のような短いセッションが複数つながる構成で

あっさりと読みやすい。

 

1 優先順位を付ける力

  それを先にすることが最善なのか考える

2 問題発見力

  それで問題が解決するのか考える

 

3 思いやりの力

 相手の立場に立って考える

 

4 自己分析力

 相手の指摘を真摯に受け止める

 

5 確認する力

 それで大丈夫なのか、確認する

 

6 創造力

 より効率的な方法を思いつくことはできないか

 

7 洞察力

 次を予測して動く

 

8 当事者意識をもつ力

 相手が求めることを考えて行動する

 

9 対策立案力

 他に手はないか、諦めずに結果を出す

 

10 組織活用力

 誰に聞けば良いか、アドバイザーをもつ

 

11 段取り計画

 自分がいなくても仕事を止めずに回すことを考える

 

12 課題形成力

 真の原因は何かを突き詰める

 

13 目標設定力

 ゴールを設定し、ゴールへ向かう道を考え、実行し続ける

 

14 リセット力

 ゼロベースで考え直すことを厭わない

 

15 逆算力

 最終的に求めるものから逆算して、今すべきことを考える

 

自分が動かなくても仕事が回るように段取りを考えるところから、

実践してみようと思った。

[映]アムリタ

野崎 まど

 

ラノベっぽい雰囲気だが、ミステリとしての構成が素晴らしい。

 

映画に込められた力は非現実的だが、ストーリーとしてぐいぐいと引き込まれる。

 

この作者は know の時もそうだったが、天才 を描くのがずば抜けて上手い。

絵コンテを読みながら思考が暴走していくシーンは文字だけの表現と思えないほどの立体感がある。 know でダンスしながら銃弾を避けるシーンと同じ美しさを感じた。

 

最原は最後に都合の悪い記憶を消したのではなく、元の主人公の人格に戻したのだと解釈した。初恋の再現と別れを描いたラブストーリーとしても読めるのかもしれない。

 

すばらしいストーリーだった。

 

 

 

そうだったのか! 現代史

池上 彰

 

現代史の中で重要なトピックスについて、作者の見解を含め簡単に説明した本。

説明の仕方が本当に分かりやすく、すっきりと頭に入ってくる。

この説明の上手さは天才的だと思う。

 

時代を追った順番ではなく、

湾岸戦争、冷戦の始まり、東西ドイツの分断、スターリン、中国と台湾の対立

朝鮮戦争、イスラエルの誕生、キューバ危機、文化大革命、ベトナム戦争、

カンボジアのポル・ポト、ソ連の崩壊、ベルリンの壁の崩壊、天安門事件、

為替変動制度への移行、石油危機、ヨーロッパの統合、ユーゴスラビアの内戦

など、概要は知っていても詳細を知らない出来事を極めて分かりやすく説明している。

 

現代史の基礎として読んでおくべき本。

 

 

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